公式HP サーブコープブログ知識・ノウハウイノベーションズアイ コラム第3回「世界のワーク・ライフバランス」

イノベーションズアイ コラム第3回「世界のワーク・ライフバランス」

    先日より当ブログでも記事を掲載していますが、サーブコープは現在、イノベーションズアイのウェブサイトにて、コラム「ビジネスで知っておきたい世界の文化の違い」を寄稿させていただいています。

    この度、第3回の記事が公開されました!今回のテーマは、「世界のワーク・ライフバランス」。今回は、世界中のサーブコープ現地スタッフのほか、日本のサーブコープに勤務する外国人スタッフ、海外に勤務する日本人スタッフからも回答を得ることができました。日本と比較した視点ぜひお読みください!

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    第3回

    世界のワーク・ライフバランス

    1 - Topワーク・ライフバランスという言葉を、最近よく耳にしませんか?家族との時間がとれないと、育児への時間的・体力的余裕がなくなり、結果的に少子化へもつながっているとして、問題意識が高まってきています。政府機関からの呼びかけや対策も練られており、労働者の個人の問題としてのみならず、社会的にもますます注目されている課題です。

    今回は、世界各国のサーブコープスタッフにワーク・ライフバランスについて様々な質問を投げかけてみました。

    ワーク・ライフバランスが重視されるオーストラリア

    2 - Australiaワーク・ライフバランスに関して先進国というイメージが特に強いオーストラリア。今回は、オーストラリア本社勤務の日本人スタッフより、日本とオーストラリアを比較する視点から、回答を得ることができました。まず、残業は日本と比べて圧倒的に少ないということでした。我が国では、ほぼ毎日何時間も残業する労働者は大勢いて、残業代も支払われるのが一般的です。一方オーストラリアでは、ほとんどの企業で(フルタイム従業員には)残業に対する賃金が支払われません。結果として、あえて長い時間働こうとする人が少ないそうです。オーストラリア人の労働に対する姿勢は、基本的に「勤務時間内にできる限りのことを、精一杯する」というもの。なので、あまり残業ばかりしている人は「とても作業効率の悪い人」という評価が下されることがしばしばです。さらにその人だけでなく、時間内に終わらないほどの仕事量が1人に偏っているということで、「企業としてのマネージメントもうまくいっていない」という様に解釈されます。また、残業しないかわりに、家に仕事を持ち帰るかというと、それもまれです。プライベートライフをとても大切にするオーストラリア人にとっては、家にまで仕事を持ち込むなんて、「社会生活をまともに送れない人生」というネガティブな印象のほうが強いのだそうです。仕事とプライベートに対する意識の違いが興味深いですね。また有給は、基本的に100%消化します。消化しきれなかった分は次の年に繰り越され、退職時にすべて消化されるか、もしくは休暇分の給料が支払われて還元されるというシステムがあります。すべての労働者に対して、非常にフェアに休暇が与えられていることがわかります。

    ■優雅な休暇をエンジョイ!ヨーロッパのワーク・ライフバランス

    3 - France日本人の私たちにとって、ヨーロッパと言えばとても労働に関して自由なイメージが強く、バカンスが充実しているイメージがありませんか?フランスのスタッフに聞くと、イメージ通り、日本と比べても全体の労働時間が断然少ないことがわかりました。残業などもほとんどないそうです。フランスの法律では、週35時間の労働時間を基準としていますが、企業と労働契約を結ぶ際は、週に4時間の残業を含む39時間とするのが一般的です。フランス人は残業代が支払われない場合は残業しないので、これ以上仕事することはまれです。つまり、基本的な労働時間は一日7時間、残業をした場合でも、8時間以下(!)という計算になります。こうして見ると、フランスでも確かに「残業」というものは存在し、ごく一般的に行われているのですが、労働時間全体としては圧倒的に短いという事が言えます。また、長期休暇に関しては、法律で連続5週間取ることが認められています。いわゆるバカンスと呼ばれるもので、それぞれリゾート地に長期滞在などして、普段とは違った生活をゆっくりと過ごします。という風に、フランスの豊かな労働環境のイメージは、あながち間違っていないようです。

    また、ベルギーは、調査結果により労働時間が世界最短とも言われています。この国については、日本に勤務するベルギー人のスタッフから回答を得ることができました。ベルギーでは、政府機関に勤務する人や教師など、いわゆる公務員にはほとんど残業がありませんが、一般企業で働く人は残業をすることもあるそうです。しかし、基本的な考え方は、「絶対に必要なときだけ」。仕事に対する考え方は日本とかなり違い、ベルギー人にとって、休暇とは労働に対して得られる「報酬」の一部だと考えられています。なので、有給休暇を取るのも労働者の権利として当然のこととして認識され、バカンスを取る人も半数近くいます。一方、労働組合の力もかなり強いため、ストライキなども日本と比べて起こりやすいので、経営者にとっては脅威になりかねません。

    また、職場での個人的な付き合いなども日本ほどありません。職場での人間関係はあくまでもビジネスの関係ととらえられているので、勤務時間外に飲み会や接待をすることもないそうです。これは仕事とプライベートがはっきりと分けられているというだけでなく、「個人」と「集団」に対する、日本人と西洋人の意識の違いとも言えます。 また、フレックスタイムについて聞いてみたところ、導入している企業も多いとのことでした。特にブリュッセルなどの都市部ではラッシュ時の交通渋滞がひどいため、無理なく来られる時間にあわせて出社し、一定時間働いたら帰宅、というシステムを採用しているところもあるそうです。「ワーク・ライフバランス」はもちろん個人差のある概念ですが、このようにヨーロッパでは、時間的にも、精神的にも、バランスの取りやすい環境になっていると言う事ができるのではないでしょうか。

    ■ワーカホリックがいっぱい?アメリカのワーク・ライフバランス

    4 - Americaビジネス関連の話題では全般的に、日本とよく比較して語られることの多いアメリカ。働き方もヨーロッパや豪州と似ているのかと思いきや、そうとも言えないようです。アメリカ人スタッフによると、基本労働時間は8時間ですが、10時間?12時間仕事をする人も結構多いそうです。労働時間に関しては、日本の状況とそこまで変わりません。もちろん、アメリカ文化も西洋の考え方を汲んでおり、プライベートや家族を大事にする傾向が強いので、残業するのが当たり前、しなければならないという訳ではありません。では、なぜこんなに残業をするのでしょうか。そこでその理由を聞いてみたところ、アメリカでは社会的に個人間の競争意識が高く、できる限り努力をして成果を出したい、という姿勢で仕事に取り組む人が多いのだそうです。何よりも成果で評価されるので、残業することで成果にたどり着けるのであれば、その時間も惜しまないということです。こうした国民性を背景に考えると、「ワーカホリック(仕事中毒)」と呼ばれるほど、自分を追い込んで仕事に精を出す人がいるのも、納得せざるを得ません。

    ■集団意識の高いアジア圏

    5 - Indiaインドでは、基本労働時間は1日8時間とされていますが、残業代が支払われるのはまれなので、残業をする人はあまり多くないそうです。最近では、プライベートを充実させることや仕事とのバランスをとることの重要性が叫ばれ、インド人も意識的に社会生活を楽しむようにしています。かといって、長く働くことを受け入れないという風潮はなく、周囲に頼まれた時や、グループ単位の仕事などの場合は特に、必要に応じて勤務時間外に働く事も多いそうです。インドの労働環境では「権利の主張」ばかりでなく、「協調」が重視されるということです。このあたりは、やはり欧米とアジア圏の文化の違いが感じられます。

    マレーシアに関しては、残業の有無は勤務先の企業の性格によりけりで、半々くらいの割合で行われているそうです。都市部の企業では従業員が長時間働く傾向が強く、郊外ではあまりありません。また、外資系の企業で働く従業員は、残業代が支払われる場合のみ、ということが多いそうです。こうした企業に勤務するのは外国人か、文化的に欧米の影響を受けている人が大半なので、仕事に対する考えも違ってきます。この状況は、日本における状況と似ていると言えるでしょう。

    香港では、ビジネスマナーのトピックで質問した際に、日本との共通点が非常に多いことがわかりました。働き方に関しても日本の状況と似ていて、ほぼ毎日残業する、残業するのが当たり前、という人は少なくありません。ただし通常残業代は支払われないので、日課同然で残っているわけではなく、仕事量が多すぎて、勤務時間内では期限に間に合わせられないというのが現状です。「時間内でベストをつくす」オーストラリア人とは、真逆の考え方ですね。さらに会社に残れない場合は、家に仕事を持ち帰って終わらせるという人もいるそうです。また、有給も通常は100%消化できないことが多く、この面でも日本の一般的な状況と似ています。

    いかがでしたか?

    次回は、世界のオフィス環境についてご紹介します。どうぞお楽しみに!

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    気になることなどあれば、現地スタッフにさらに詳しく質問してみますので、ぜひお気軽にフェイスブックツイッターにてお声かけください!(ライター:平井)

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