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仕事効率化のために大事なこと。アニメーションの巨匠・押井守監督の仕事哲学とは?

さまざまな情報があふれる現代。ビジネスパーソンには幅広い視野と、時代の変化をとらえるアンテナが必要ですが、その一助となるのが「書籍」です。8万人超のビジネスパーソンが利用する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」編集部が、サーブコープブログ読者におススメするタイトルをテーマ別に紹介するシリーズ。

今回のテーマは、「効率化について考える」。仕事の効率や生産性、自分の強みを高めるためにヒントを与えてくれる2冊をピックアップしました。“1日3時間しか働かない”事業家・山口揚平氏と日本アニメーションの巨匠・押井守監督の著書をご紹介します。

「考える力」こそ最強のビジネススキル

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』
山口揚平 著 プレジデント社 240ページ 1,650円(税込)

仕事の効率化を図るというと、ついデジタルツールの使い方などハード面に目がいきがちです。ところが短時間で成果を上げる人材というのは、実はものの見方・考え方など、ソフト面での研鑽を積み重ねているようです。

本書『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』は、仕事をする上で欠かせない「考える力」そのものを養おうとする1冊。著者・山口揚平氏は外資系の大手コンサルティングファームから30歳で独立し、起業や事業売却を数多く経験。現在はコンサルタント、投資家、事業家、著述家、教育者、思想家などとして、多角的に活動しています。活躍ぶりからは分刻みでバリバリ働いている姿を想像してしまいますが、むしろその逆。驚くことに、1日の仕事時間を3時間と決めているのです。

働く時間は減っているのに、成果は10年前と比べて3倍だという著者。どうしてそんなことが成し得るのか。その理由が本書では繰り広げられています。強調されているのは「考えることの徹底」。つまり思考することこそ、最小の労働時間で最大の成果を出す「最強のスキル」だというのです。

「考える」の目的には4種類ある

本書ではさまざまな「思考の深め方」について解説されています。例えば「考える」という作業そのものについても、「目的」を持って思考することがポイント。では、その目的とはどのようなものでしょうか。著者は次の4つをあげています。

  • 代替案を出す
  • 具体案を出す
  • 全体像を明らかにする
  • 本質を見抜く

「代替案」をいくつも持っていると、想定外のトラブルにあっても慌てずに済みます。部下や仕事仲間がミスしても、余裕を持って対応できるでしょう。また「具体案」があればすぐに行動に移せるので、プロジェクトのスピードアップにもつながります。「全体像を明らかにする」とは、目の前の問題をふかんすること。過去や未来、原因と結果、国内と国外などさまざまな関係性を視野に入れて考えることで、これまで見えていなかったアイデアや解決策が浮かび上がりやすくなるといいます。

 一番大事なのは「本質を見抜く」こと

 4つ目の「本質を見抜く」は著者が特に重要視する点。著者自身、M&Aコンサルタント時代に企業分析のデータをクライアントに渡したところ、「欲しいのはこの会社の最もコア(本質的)な価値だ」と一刀両断されたそう。以来まだ数値化されていない、「物事にひそむ本質」を問い続けることが著者の信念になりました。

付け加えると、本質に迫るとは「普遍(応用が利くかどうか)・不変(未来にも通用するかどうか)・単純(シンプルかどうか)」だと筆者。なかなかとらえにくいものだからこそ、徹底的に考えて本質をつかむことで、効率的な働き方につながるのでしょう。

仕事をする中で思考が進まない、あるいはどこから手を付ければいいかわからない場合は、まず上記の「考える4つの目的」を意識し、その上で本質的な解を探すようにしてみてはいかがでしょうか。思考のゴールを意識することでアイデアが湧きやすくなり、物事の本質が見えれば生産性が向上する可能性もあります。“1日3時間労働”で成果を出すには一見回りくどいようでも、じっくりと思考する時間が鍵となるようです。

「優先順位」に自分の価値観を反映させる

 

『ひとまず、信じない – 情報氾濫時代の生き方』
押井守 著 中央公論新社(中公新書ラクレ) 200ページ 780円(税込)

仕事を効率的に行うには「優先順位」が大切になります。特にフリーランスの方は広範な業務を一手に担うため、効率よく、スピーディーにこなせる段取りを考える必要があるでしょう。一方で、効率ばかり追い求め、自分は何がしたいのかといった「価値観」がなおざりになっていると感じることはないでしょうか。

そんな時にアドバイスをくれるのが、本書『ひとまず、信じない – 情報氾濫時代の生き方』。『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などで世界的に知られる日本アニメーションの巨匠・押井守監督の仕事・人生哲学をまとめたものですが、押井監督の「優先順位」へのまなざしに独自の美学が垣間見えます。

 「優先順位」とは効率化のためのタスクリストではない

押井監督は仕事では成果を出すことを第一義としており、中でも「優先順位」を付けることが重要だと強調しています。その優先順位とは効率化のためのタスクリストではありません。必要な要素をリストアップし、「最も重要だと感じるもの」だけを選び取る。それは同時に何かを「捨てる」ことでもあります。そしてその取捨選択こそ、その人の価値観である、と説いてます。

映画づくりであれば脚本・役者・撮影・宣伝などの要素がありますが、「ぜんぶ大事」というのではなく、例えば「脚本が一番大事」と言えるかどうか。自分の価値観を反映させた優先順位を付けられることこそが、無能な人材と有能な人材とを隔てるものだと監督は語ります。皆さんも仕事をする上で取捨選択の場面は多いと思いますが、自身の価値観で思い切った優先順位を付けるということを、今まで以上に意識してみてはいかがでしょうか。仕事をすることの充実感を得やすくなるかもしれません。

リソースが限られるため、特に効率化が求められるフリーランスや個人事業主の皆さんは、ぜひパフォーマンス向上のため、今回ご紹介した2冊を参考にしてみてください。

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