テックライターおすすめビジネスチャット8選!テレワークを円滑にするコミュニケーションツール
この一年で対面からオンラインへと、コミュニケーションのデジタルシフトが一気に進みました。リモートワークでは顧客や取り引き相手とだけでなく、社員同士もオンラインで会話することに。身近な同僚とのコミュニケーション不足を避けるために、昨今、さまざまな社内コミュニケーションツールが登場しています。
「ビジネスコミュニケーションツール(ビジネスチャット)」は、個人間でのやり取りではすでに定着しているテキストでのチャットを主軸に、スタンプによるリアクションや、ファイルの共有、外部アプリとの連携といった機能を備え、離れた場所で働いていても、まるで隣席にいるように密な社内コミュニケーションを可能にします。
コミュニケーションツール(ビジネスチャット)導入をおすすめする理由
ビジネスコミュニケーションツール(ビジネスチャット)には、電話やメールといった従来のコミュニケーション手段にはないメリットがあります。主なメリットは次の通りです。
メールのような前置きは不要。言いたいことだけをさっとやり取りできる
チャットではメールのような定型文をつけなくても、必要なポイントだけを伝えられる手軽さが魅力です。スタンプなどで簡単にリアクションを返すことも可能。円滑なコミュニケーションによって、送り手と受け手双方の作業効率化を図り、社員全員の負担を減らします。
企業の管理下のもと、安心、安全なビジネスコミュニケーションが可能
個人のSNSアカウントを使用したチャットには、情報漏洩のリスクが伴いますが、ビジネスチャットなら、企業の管理下で安全に情報を送受信することができます。必要に応じて、管理者が会話のログを閲覧することも可能です。
1対1からグループまで簡単に情報を共有でき、時間の無駄がなくなる
1対1だけでなく、チーム単位、プロジェクト単位でグループ(チャンネル)を作ることができます。必要に応じて多くの人と情報を共有できるので、連絡や情報共有に要する時間短縮にもつながります。また、メールでのやり取りでミスしがちな「全員に返信」漏れも防ぐことができます。
検索性が高く、時系列で追いやすい。情報の一元化、一括管理が実現
会話のやり取りが時系列にならび、また検索性も高いので、途中からプロジェクトに参加した人でも状況を把握しやすいのが、ビジネスチャットの特徴です。メールでは難しかった情報の一元化、一括管理が可能です。
他のツールとの連携で作業効率がアップ。生産性の向上にもつながる
テキストだけでなく、音声通話やビデオ通話が利用できるほか、ファイルの共有やアーカイブとしても活用できます。またツールによってはさまざまな外部ツールとも連携できるなど、作業効率のアップにも貢献します。
コミュニケーションツール(ビジネスチャット)の選び方
1対1のチャットや、グループでのチャット、ファイルの共有が、ビジネスコミュニケーションツール(ビジネスチャット)の基本的な機能。ツールによっては音声通話やビデオ通話、タスク・スケジュールの管理、外部ツールとの連携機能なども備えています。ツール選びの際はこれらの機能が、使用目的に合っているかをはじめ、以下の点をチェックすることをおすすめします。
使いやすさ
コミュニケーションを活発にするには、ツールの使いやすさが重要です。どのツールも慣れてしまえば使い方はさほど難しくはありませんが、トレーニング用のコンテンツが提供されているかも含めて、ユーザビリティを検討する必要があります。また、社外ともやり取りする可能性がある場合は、広く普及しているツールかどうかも重要なポイントです。
連携性・拡張性
コミュニケーションはどんな業務にも欠かせないものですが、すでに導入している業務ツールと連携ができるかどうかや、今後導入する可能性のあるツールをつなぎ込めるかなど、他のツールとの連携性や拡張性は事前にチェックしておきたいポイントです。
マルチデバイス対応
PCだけでなく移動時にスマートフォンからも利用できる、マルチデバイス対応のツールであれば、より機動的なコミュニケーションが可能になります。ツールによってはスマートフォンのアプリでは一部機能が制限されるものもありますので、どこまでマルチデバイスに対応しているかも確認しておきましょう。
セキュリティ
チャットではさまざまな情報がやり取りされるだけに、セキュリティは最も重要なポイントです。導入予定のツールが国際的なセキュリティ基準を満たしているか、シングルサインオンや二段階認証、IPアドレスによるアクセス制限、データの暗号化など、どのようなセキュリティ対策をとっているかを、会社のセキュリティポリシーと照らし合わせてみてください。
コスト
導入コストは利用する社員の人数によっても変わってきます。まずは試験的に導入したい場合は、無料プラン・トライアルなどの有無をチェックしましょう。そして、無料プランを利用する場合には、どのような機能制限があるかを確認するのも大事です。
利用者の多いコミュニケーションツール(ビジネスチャット)5選
ここでは特にマーケットシェアが大きく、導入事例の多いコミュニケーションツール5つを取り上げます。小規模事業者から大企業まで、幅広くカバーしていることや他ツールとの連携のしやすさもポイントです。
Slack(スラック)
世界的に高いシェアを誇るコミュニケーションツール。チームごと、プロジェクトごと、トピックごとにチャンネル(グループ)を作成できます。大容量のストレージでファイル共有ができるほか、テーマや通知設定、他のツールとの連携など自由なカスタマイズが可能な点が人気の理由です。
ブラウザでの利用 | 〇 |
スマートフォン対応 | iPhone/Android |
PCアプリ対応 | Mac/Windows |
日本語対応 | ◯ |
ストレージ容量 | 10GB/1ユーザー(プロの場合) |
音声通話 | 〇 |
ビデオ通話 | 〇 |
無料プラン | 有り(メッセージ履歴10000件などの制限あり) |
料金 | 月額850円~/1ユーザー(年払い) |
公式サイト | https://slack.com/intl/ja-jp |
Chatwork(チャットワーク)
国内で大きなシェアを持ち、社内外で利用しやすいツールです。シンプルなUIに加えて送信後にメッセージを修正できるなど、使いやすい機能が備わっています。またファイル共有やタスクの管理機能も充実。特にタスク管理では、チームの業務を見える化し、進捗管理をスムーズにしてくれるので、見えない社員同士で仕事を進める時など、非常に役立つでしょう。
ブラウザでの利用 | ◯ |
スマートフォン対応 | iPhone/Android |
PCアプリ対応 | Mac/Windows |
日本語対応 | ◯ |
ストレージ容量 | 10GB/1ユーザー(ビジネスの場合) |
音声通話 | 〇 |
ビデオ通話 | 〇 |
無料プラン | 有り(累計7グループなどの制限あり) |
料金 | 月額500円~/1ユーザー(年払い) |
公式サイト | https://www.chatwork.com/ |
LINE WORKS(ラインワークス)
チャットアプリとして圧倒的なシェアを誇る「LINE」のビジネス版。特にスマートフォン上では使い慣れたユーザーインターフェイスなので、導入のハードルが低いのが特徴です。LINE同様、未読・既読がわかるほか、ファイル共有、スケジュール、タスク管理、アンケート機能などが利用できます。また一般LINEユーザーとも直接トークが可能です。
ブラウザでの利用 | 〇 |
スマートフォン対応 | iPhone/Android |
PCアプリ対応 | Mac/Windows |
日本語対応 | ◯ |
ストレージ容量 | 基本容量100GB(ライトの場合) |
音声通話 | 〇 |
ビデオ通話 | 〇 |
無料プラン | 有り(ユーザー数100人までなどの一部機能制限あり) |
料金 | 月額300円~/1ユーザー(年払い) |
公式サイト | https://line.worksmobile.com/jp/ |
Microsoft Teams(Office 365)(マイクロソフト・チームズ)
Microsoft社の「Office365」に含まれているツールですが単体での利用も可能。チャット、音声通話、ファイル共有、ビデオ会議、セミナーなど、チームでのさまざまなコラボレーションを実現します。WordやExcel、PowerPointといったツールと連携でき、共同編集などの作業がチャットからシームレスに行えるのも大きな魅力です。
ブラウザでの利用 | 〇 |
スマートフォン対応 | iPhone/Android |
PCアプリ対応 | Mac/Windows |
日本語対応 | ◯ |
ストレージ容量 | 10GB/1ユーザー(Microsoft Teams Essentialsの場合) |
音声通話 | 〇 |
ビデオ通話 | 〇 |
無料プラン | 有り(グループ会議最大60分までなどの制限あり) |
料金 | 月額430円~/1ユーザー(年払い) |
公式サイト | https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software |
Google Chat(Google Workspace)(グーグル・チャット)
Googleの統合クラウドサービス「Google Workspace」のひとつとして提供されています。Gmailの画面からもシームレスにチャットが利用できるほか、Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドとの連携もスムーズ。またGoogleのサービスだけに、検索機能が充実しているのも特徴です。
ブラウザでの利用 | 〇 |
スマートフォン対応 | iPhone/Android |
PCアプリ対応 | Mac/Windows |
表示言語 | 日本語対応 |
ストレージ容量 | 30GB/1ユーザー(Business Starterの場合) |
音声通話 | 〇 |
ビデオ通話 | 〇 |
無料プラン | 個人利用であれば無料(スレッド不可など機能制限あり) |
料金 | 月額680円~/1ユーザー(年払い) |
公式サイト | https://workspace.google.co.jp/ |
ほかにも数多くのビジネスコミュニケーションツールがありますが、中でも国内での成長が著しい、注目ツール3つをご紹介します。
新登場! 注目のコミュニケーションツール3選
WowTalk(Wonder Cloud Works)(ワウトーク)
チャットと掲示板、無料通話を備えたシンプルなツール。年代問わず操作しやすいユーザビリティが魅力。2021年12月から名刺管理ツール、クラウドオフィスソフトと組み合わせた、キングソフトグループの統合クラウドサービス「Wonder Cloud Works」。
月額500円~/1IDの新プランを提供。
elgana(エルガナ)
NTTビジネスソリューションズが提供するビジネスチャット。2020年4月から提供を開始し、2021年7月には利用数が100万IDを突破するなど、急成長中。トークルームの投稿を誰が既読したかを確認することができます。高度なセキュリティとサポートも充実。
InCircle(インサークル)
政府採用の高度セキュリティ技術とユーザーのITスキルに関わらず、シンプルな使いやすさに定評があります。社内サーバーに組み込めるオンプレミス版も提供されているので、クラウドは利用しないが、ビジネスチャットを必要とする企業も導入できます。
まとめ
いかがでしたか。コミュニケーションツール(ビジネスチャット)にはすでに普及しているものから新しく登場したものまで、選択肢はさまざまです。どんなコミュニケーション課題を解決したいかを明確にし、使いやすさや連携性、対応デバイス、セキュリティ、コストなどを比較材料に検討しましょう。無料プランから始めるのがおすすめです。
Web会議無料アプリ5選! テックライターが使いやすさを解説
文・太田百合子
テックライター。インターネット黎明期より大手企業のWebディレクションやインターネット関連のフリーペーパー、情報誌の立ち上げに携わる。以降パソコン、携帯電話、スマートフォンからウェアラブルデバイス、IoT機器まで、身近なデジタルガジェットと、それら通じて利用できるサービス、アプリケーションを中心に取材・執筆活動を続けている。