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ビジネスにも通じる!読書の秋にオススメ、将棋・名棋士の名著3選

    14歳2か月で史上最年少プロになった天才棋士、藤井聡太四段の活躍によって、将棋に再び注目が集まっています。将棋には、数百手先を読む洞察力、劣勢の局面では忍耐力を必要とし、試合後はすぐに感想戦と呼ばれる振り返りを行うなど、ビジネスにも通ずる要素が豊富です。そこで今回は、読書の秋にオススメしたい名棋士の名著を3冊ご紹介します。

    将棋界に名を刻む天才棋士は、いかにして勝ち続けるのか?

    羽生善治「決断力」(角川書店)

    https://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200408000190
    将棋界初の7冠を達成した伝説の天才棋士・羽生善治氏が、将棋を通して培った決断力について書いた本書。2005年に出版後、いまだに版を重ね、35万部以上発行され、ビジネスパーソンにも愛読されています。

    本書には、最初から最後まで、羽生氏の珠玉の名言がちりばめられています。独自の将棋論を、スポーツやビジネスに置き換えて解説しているので、羽生氏の考えが理解しやすいです。

    読みどころ:決断は自分の中にある

    何よりも怖いのは現状に満足してしまうこと。まだ時期ではないと二の足を踏んでしまう時こそ、挑戦すべきだと羽生氏は言います。リスクの大きさは挑戦の価値。最終的に自らがリスクを負うからこそ、その決断に人の本質が出ているのだとか。

    読みどころ:直感の七割は正しい

    人間が持つ、優れた資質の一つは「直感力」。パッと見て瞬時に閃いたものの約7割は正しいと羽生氏は言います。また、次に紹介する森内俊之氏の著書「覆す力」では、直感を否定はしないが熟考に熟考を重ね、答えを出すべきだと記載があり、この2冊を読むと、2人の考え方の違いが明確になり、興味深いです。

    読みどころ:勝負の結果を次の日に引きずらない

    将棋は勝負がついた後に、なぜ勝ったのか、負けたのかを振り返る感想戦を行います。その場で勝因、敗因を明らかにし、翌日に負けを引きずらないことが、次への意欲につながるのかもしれません。

    将棋界で今も挑戦者として前進する羽生氏。常に前を向き努力を続けている人の言葉は、迷えるビジネスパーソンの背中を押してくれます。

    時には負けることが、次に進む大きな力になる

    森内俊之「覆す力」(小学館新書)

    https://www.shogakukan.co.jp/books/09825195

    16歳でプロ棋士に昇格した森内俊之氏。同期の羽生氏は7冠達成と、規格外の天才棋士の陰に隠れた努力の人でもありますが、羽生氏よりも早く永世名人の称号を得ることができ、名人位通算8期は、歴代3位タイと輝かしい経歴も残しています。大きく先を越すライバルと向き合うには、どうすべきか。局面を覆すべく、挑み続ける森内氏の言葉に、勇気づけられます。

    読みどころ:良きライバルと出会う

    森内氏は羽生氏のことを「ライバルというより、終わりなき将棋の道をともに歩き続ける仲間であり、永遠に追いかけ続ける目標」と言い切ります。どうしても勝てないとあきらめたり、嫉妬したりするのではなく、何度も挑み続けることで、自分を成長させることができると言います。

    読みどころ:負けて調子を上げる

    本書で出てくるエピソードの大半は、負けてしまった時のこと。どうしても勝てない時でも、自分の持っている力をフル稼働させる戦いが重要です。ギリギリの攻防を繰り広げることで、脳の普段使わないところまで、刺激を受けると言います。その経験こそ、調子が上向く兆候。時には全力で負けることも必要なのかもしれません。

    読みどころ:スランプはインプットの時期

    調子は、良い時があれば、悪い時もあります。スランプの過ごし方は、誰しも頭を抱えるところです。森内氏は過去のスランプを「力を蓄えるためのインプットの時期」であったと振り返ります。どんな時期も悲観せず、地道に進み続けることが飛躍につながると言います。

    辛い時期でも努力を続け、森内氏が培った、考える根気。考えることをやめなければ、覆すことができると教えてくれます。森内氏から見た羽生氏との関係性もおもしろく、「決断力」とあわせて読むことをオススメします。

    天才はいつの世も奇想天外だからおもしろい

    加藤一二三「求道心」(SB新書)

    https://www.sbcr.jp/products/4797384123.html

    2017年6月に棋士生活60年で引退を発表し、「ひふみん」の愛称でも知られる名棋士。全編にわたって軽妙な語り口で書かれており、凝り固まった頭をほぐし、新たなアイディアを与えることでしょう。

    読みどころ:天才も楽に勝てるわけではない

    加藤氏は、公式戦で1300以上の勝利をおさめていますが、楽に勝ったと言える一局は一つもないのだとか。どんな人にとっても勝つということは、努力と実力だけでなく運とタイミングも必要。楽に勝てることはないと言います。

    読みどころ:勝ったと思った瞬間が一番危ない

    プロの棋士の実力は紙一重。最後の最後まで勝負はわかりません。「勝った」と思った瞬間こそ、一番危ないと加藤氏は言います。どんな時も最後まで油断しないことが大切です。

    読みどころ:勝負というのは一勝一敗、それなら成功

    勝負は勝つこともあれば、負けることもある、一度勝ったら一度負けてもいい、という少し肩の力を抜いた気持ちが、勝負を強くするかもしれないと語っています。

    「プロ棋士の求道心」には、対局で追い詰められた時の切り抜け方で、相手の立場に立ってのぞいてみる「ひふみんアイ」の誕生秘話も紹介されています。

     

    厳しい勝負の世界で、日々強くなるために努力を続ける名棋士からは、ビジネスにも通じるヒントをたくさん得られるはずです。読書の秋に、名棋士の名著を手に取られてみてはいかがでしょうか?

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