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【保存版】ビジネスで使える時候の挨拶。選び方のコツ

挨拶文や送付状など、ビジネスシーンに欠かせない手紙の書き出しである「時候の挨拶」。たくさんの候補の中からふさわしい言葉をどのように選べばいいか自信がない…という方に、時候の挨拶の基本ルールからわかりやすい一覧表まで、【保存版】としてお届けします。

時候の挨拶・書き分けの基本ルールとは

桜並木

時候(じこう)の挨拶とは、用件の前に述べる季節にちなんだ手紙での挨拶文です。その季節にふさわしい時候の挨拶を述べ、手紙の受け取り手の体調を気遣う礼儀としての役割があります。

メールやチャットツールがやり取りの主となった今でも、ビジネス上で文書を送付する機会は少なくありません。
「時候の挨拶」を調べると、多数の候補があってどれを選べば良いのか自信が持てない…という方に、時候の挨拶を書き分ける基本ルールをまとめました。

1:目的と送付先によって書き分ける

時候の挨拶は、異動や転勤時の挨拶状、お礼状、ご案内状や送付状、またお見舞い状やお詫び状など、手紙の目的によって書き分けます。

文章表現には目的にふさわしい「格」があります。例えば会社として取引先に送付する新商品のご案内状であれば、最上級の敬語表現が求められます。また、長年親しく交流してきた担当者の定年退職に際してのお礼状であれば、柔らかな表現で親しみを感じさせる表現がふさわしいでしょう。お詫び文や病気や災害のお見舞い状では華やかな時候の挨拶は避け、相手を気遣う言葉につなげることを意識した時候の挨拶を選びます。

時候の挨拶は三段階の格調があります。より漢語に近い表現がより公的な使い方に、より口語(普通の話し言葉)に近い表現は、より私的な使い方に向いています。

相手との関係性と手紙や書類を送付する目的によってこの「格」を使い分けます。

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  • 最上の敬意を表す表現:〇〇の候(こう)
  • 少し柔らかな表現:〇〇の砌(みぎり)
  • 親しみを込めた表現:~の折(おり)、~の頃、~の季節となりました

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最も格調高いのは漢文的表現を用いる表現です。そして、親しみを込めた表現では、今の季節を素直に感じさせるものであれば十分に時候の挨拶として成立します。

2: 季節に応じて書き分ける

時候の挨拶は季節に応じて書き分けます。この時に悩むのが「たくさんの候補のなかから、どの言葉を選ぶのがふさわしいか」という点です。

時候の挨拶における「季節」の表し方はとてもたくさんあります。
睦月・如月・弥生といった旧暦の呼び方を用いて「師走の砌」と用いれば、送付できる期間はおよそ1カ月間と長く、多くの方に親しみのある季節の呼称として読みやすいものになります。

もう少し格調高く、細やかな気配りを表現したい場合は、中国の暦から取り入れられた陰暦の区分「二十四節気」から選んでみてはいかがでしょうか。春夏秋冬をさらに6つずつに区分した季節表現です。旧暦の分け方になるため、現在の太陽暦とは該当する日が年によって若干前後します。その年の二十四節気を確認するとよいでしょう。ただし、昔から用いられる時候の挨拶は旧暦に基づいたものが多いため、実際の季節感と異なる言葉には注意が必要です。

暦の上では正しくとも、実際の暑さ・寒さの印象と大きく離れる言葉選びはお勧めできません。例えば暖冬でニュースになるようなタイミングに「大寒の候」では、相手を気遣っての印象になりません。
その他、柔らかい口語調の時候の挨拶では「暑さ寒さ/日の長さ/季節の花や鳥」などのその季節特有の話題に触れることで表します。「クリスマスイルミネーションが街を彩る季節となりました」など、比較的新しい言葉で季節を表すことももちろん可能です。

なお、唯一の例外として一年中使える時候の挨拶に「時下(じか)」があります。「時下」には「候」をつけることはなく「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げますなど直接ご挨拶の言葉につなげます。
こちらは毎月発送する定例の郵送物の添え状など、相手への気遣いや思いやりを表現する必要性が高くないときに用いるとよいでしょう。

時期に合わせた季節の言葉はどれを選べばいい?一覧表で確認

選択

時候の挨拶の例を月別に一覧にまとめました。
先ほど紹介した「使い分け方」を参考にしながら、ふさわしい時候の挨拶を選びましょう。

一月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:睦月(むつき)
二十四節気(1月5日頃):小寒(しょうかん)
二十四節気(1月21日頃):大寒(だいかん)
代表的な例:新春(しんしゅん)、寒中(かんちゅう)

■口語調表現
よき新年をお迎えのことと存じます
寒さが一段と厳しくなってまいりました折
冷たい空気に身も引き締まるこの頃
寒中お見舞い申し上げます
寒さが身にしみるこの頃

二月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:如月(きさらぎ)
二十四節気(2月4日頃):立春(りっしゅん)
二十四節気(2月19日頃):雨水(うすい)
代表的な例:余寒(よかん)、梅花(ばいか)

■口語調表現
春の便りが待ち遠しい折
春の兆しを感じるこの頃
寒い中にも一足ごとに春の訪れを感じます
春近しといえど、まだ雪も残る季節
梅の香りが漂うこのごと 

三月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:弥生(やよい)
二十四節気(3月5日頃):啓蟄(けいちつ)
二十四節気(2月19日頃):雨水(うすい)
代表的な例:早春(そうしゅん)、春寒(しゅんかん)

■口語調表現
春光天地に満ちる季節となり
土も緩む季節ですが
柔らかな春の光のなか
暖かな日差しを感じられるようになりました
開花宣言が待ち遠しい今日この頃 

四月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:卯月(うづき)
二十四節気(4月5日頃):清明(せいめい)
二十四節気(4月20日頃):穀雨(こくう)
代表的な例:陽春(ようしゅん)、春暖(しゅんだん)

■口語調表現
春たけなわの頃
新年度を迎え
暖かな雨を感じるようになりました
桜の季節はあっという間ですが
柔らかな春風がありがたい季節

五月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:皐月(さつき)
二十四節気(5月5日頃):立夏(りっか)
二十四節気(5月21日頃):小満(しょうまん)
代表的な例: 新緑(しんりょく)、薫風(くんぷう)

■口語調表現
草木もえいづる季節です
薫風さわやかな季節を迎え
新緑が目に鮮やかな時季となりました
ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしょうか
強まる日差しに季節の移ろいを感じるこの頃 

六月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:水無月(みなつき)
二十四節気(6月6日頃):芒種(ぼうしゅ)
二十四節気(6月21日頃):夏至(げし)
代表的な例:梅雨(ばいう/つゆ)、向夏(こうか)

■口語調表現
梅雨入りを迎え
しっとりした風の吹く日が続いています
濡れた紫陽花の美しい季節
梅雨寒の日が続きますが
早いもので今年も一年の折り返しを迎えます

七月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:葉月(はづき)
二十四節気(8月8日頃):立秋(りっしゅう)
二十四節気(8月23日頃):処暑(しょしょ)
代表的な例:晩夏(ばんか)、残暑(ざんしょ)

■口語調表現
強い日差しに庭の緑も濃く
暦の上では秋となりましたが
台風一過
日が落ちると秋を感じられるようになりました
残暑お見舞い申し上げます

八月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:葉月(はづき)
二十四節気(8月8日頃):立秋(りっしゅう)
二十四節気(8月23日頃):処暑(しょしょ)
代表的な例:晩夏(ばんか)、残暑(ざんしょ)

■口語調表現
強い日差しに庭の緑も濃く
暦の上では秋となりましたが
台風一過
日が落ちると秋を感じられるようになりました
残暑お見舞い申し上げます

九月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:長月(ながつき)
二十四節気(9月8日頃):白露(はくろ)
二十四節気(9月23日頃):秋分(しゅうぶん)
代表的な例:初秋(しょしゅう)、仲秋(ちゅうしゅう)

■口語調表現
夏のお疲れは出ていらっしゃいませんか
コスモスの花が美しく咲き始めました
ひと雨ごとに秋が深まり
さわやかな秋風を感じる日も増えました
虫の音に秋を感じる今日この頃

十月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:神無月(かんなづき)
二十四節気(10月8日頃):寒露(かんろ)
二十四節気(10月24日頃):霜降(そうこう)
代表的な例:錦秋(きんしゅう)、秋雨(しゅうう)

■口語調表現
金木犀の甘い香りが漂っています
日を追うごとに風が冷たくなります
いよいよ秋も深まってまいりました
紅葉も色を深め、空はすっかり高くなりました
長雨の合間の晴れ間が待ち遠しい日々ですが 

十一月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:霜月(しもつき)
二十四節気(11月7日頃):立冬(りっとう)
二十四節気(11月22日頃):小雪(しょうせつ)
代表的な例:向寒(こうかん)、初霜(はつしも)

■口語調表現
枯れ葉舞うこの季節
立冬を過ぎ、街も冬支度をはじめました
日ごとに寒くなりますが
温かな料理がうれしい季節となりました
朝夕はめっきり冷え込むようになりました

十二月

■漢語調表現(〇〇の候)
旧暦の月:師走(しわす)
二十四節気(12月7日頃):大雪(たいせつ)
二十四節気(12月21日頃):冬至(とうじ)
代表的な例:初冬(しょとう)、初雪(はつゆき)

■口語調表現
年末に向けお忙しい毎日をお過ごしのことと存じます
厳しい寒さの毎日ですが
いよいよ年の瀬を迎え
クリスマスに彩られた街並みが美しい季節です
こちらにも今年初めての雪が降りました

時候の挨拶から結びの言葉まで、解説付き書き方例文

働く女性

 

選んだ時候の挨拶の格調や内容によって、その後に続ける挨拶文や締めの言葉も合わせて選ぶことが大切です。

今回は例として「新任のスタッフが6月にお客さまへの挨拶状を送る」という挨拶状の例文でポイントをチェックしましょう。ご自身で作成する際の参考にどうぞ!

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2023年6月吉日

株式会社〇〇〇
営業第三課
〇〇 〇〇様

株式会社□□□
本社営業部
担当:△△ △△

担当者変更のご案内

拝啓 梅雨の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

平素は当社製品を御利用いただき御厚情のほど、心より御礼申し上げます。
さて先日、前任者の××からご連絡いたしました通り、6月1日より私△△ △△が貴社を担当させていただくことになりました。

書面にて恐縮ではございますが、取り急ぎ着任のご挨拶をさせていただきます。
近日中にご挨拶に伺い、面談のお時間をいただければ幸甚でございます。

貴社にご不便、ご迷惑をおかけしないよう精進し、いっそう貴社のご期待にお応えしてまいります。

今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心よりよろしくお願い申し上げます。 敬具

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ポイント:担当者の変更という「通知」のための文章です。代表取締役交代・支店長就任などのお知らせであれば『拝啓』ではなく『謹啓』がふさわしいでしょう。今回は通常の担当交代ということで、最も一般的によく使用される『拝啓』、それに合わせて時候の挨拶は一般的な季節の言葉「梅雨」を用い、初めての相手に送る正式な文書のため漢文調「梅雨の候」としています。

ふさわしい時候の挨拶をスマートに選んでビジネスに役立てよう

「時候の挨拶についての基本的な知識はわかったけれど、季節ごとにどんな表現があるか考えるのは大変。相手に失礼のない程度に、ごく一般的な時候の挨拶を選びたい」という場合にオススメなのがWordの「あいさつ文」機能の選択肢を活用することです。

[挿入]タブから[あいさつ文]を選択し[あいさつ文の挿入]をクリックすると、送付する月を選ぶだけで一般的な時候の挨拶を表示し、目的に合わせたその後の挨拶文も作成できます。

ビジネスで大切なマナーを守りつつ、スピード対応でスマートなクライアント対応を目指しましょう!

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