取引先からの急な訃報…弔電や香典の基本マナーとは?
社会人になると、取引先から突然の訃報を受けることもあります。故人との別れを惜しむ一方、気付かぬうちに心無い対応をしてしまった・・・となれば、ご遺族や取引先からの信頼まで失いかねません。今回は、社会人として知っておきたい、訃報を受けたときの対処法や弔電・香典の一般的な作法についてご紹介します。
訃報を受けた際は、上司にまず相談を
仕事上のお付き合いで受け取った訃報には、会社の一員としての対応が求められます。亡くなった相手が自分と親しい間柄であっても、個人の判断で対応を決めず、まずは訃報を上司や担当者に伝え、「通夜・葬儀への参列」、「弔電や供花、香典の手配」といった会社としての対応を仰ぎます。
取引先の訃報を受けてすべきこと
- 上司に報告し、対応を仰ぐ
- 通夜・葬儀に参列するか決める
- 弔電、供花、香典を手配するか決める
訃報の連絡は故人のご家族から電話やメールで受ける場合が多く、いずれの場合も、まずはお悔やみの言葉を伝えます。つぎに「訃報の3W(Who:誰が、When:いつ、Where:どこで)」の3つを確認します。
そのほか、葬儀のマナーや形式は故人の宗教や宗派・思想によって異なるため「相手が所属する宗派」と、「供物(くもつ)・供花(きょうか/くげ)」について確認します。さらに葬式に参列できず弔電を送ることになった場合は、喪主の名前や送り先の住所が必要になるため、こちらもあらかじめ確認しておきましょう。
訃報を受けた際に確認しておきたいこと
- 訃報の3W(Who:誰が、When:いつ、Where:どこで)
- 通夜・葬儀の日時、場所(会場名)、喪主の名前と連絡先
- 故人の宗派
なお、故人の身内や友人が少人数でお別れをする「家族葬」も年々増えているといいます。訃報を受けた際に家族葬とうかがった場合は、遺族からの参列願いがないようでしたら参列や弔問は遠慮しましょう。弔電や香典は、事前にお断りされていなければ、会社の対応として代表者名義で送ることは問題ないといわれていますので、上司に対応を確認しましょう。
弔電を送るタイミングとは?
通夜・葬儀に参列できないときは、お悔やみの気持ちを伝えるために弔電を送ります。葬儀の日程がわかったら、すぐに手配を。弔電はNTT、郵便局、インターネットで申し込むことができます。弔電は通夜や告別式の前日までに届くように手配するのが一般的ですが、間に合わない場合は、弔電ではなくお悔やみ状を送るのが望ましいとされています。
弔電の内容は、不幸を悼む思いやご遺族への励ましの気持ちを込めます。オリジナリティを優先せず、かしこまった定型文にとどめたほうが失礼がないでしょう。また、死を直接的に表現する言葉(死ぬ、死亡する、倒れるなど)や不幸が重なる印象を持たせる言葉(たびたび、くれぐれも、またなど)、故人の苦しみを思わせるような言葉(迷う、苦しむなど)などの忌み言葉は使わないようにします。
弔電の依頼主は、会社名でも個人名でもかまいませんが、個人名で送る場合は役員以上にするのがマナーです。
香典袋の種類や金額の目安
香典とは、線香や抹香、花の代わりに故人の霊前に供えるもので、現金を不祝儀用ののし袋に包んだもののこと。香典は通夜または葬儀に持参します。香典袋の表書きは故人の宗教によって変わるので、特に注意が必要です。
仏教の場合は「御霊前」「御香典」「御香料」など、キリスト教式の場合は「御霊前」「御花料」など、神式の場合は「御神前」「御玉串料」「御榊料」などを使い、先方の宗教がわからないときは、どんな宗教でも使える「御霊前」を使います。いずれも薄墨で書くことをおすすめします。
香典の金額については特に決まりはありません。会社によっては規定がある場合もあるので再度確認を。目安として、取引先の社長の場合は30,000円、社長の親族の場合は10,000円、取引先の担当者の場合は10,000円程度とされています。
急な訃報の場合も、失礼のないように正確で敏速な対応が求められます。たとえばサーブコープ秘書の場合、利用者様から多様な業務を日々依頼されるため、時として弔電や香典の手配依頼を受けることもあります。その場合、上司に当たる利用者様に先述したような情報を確認し、迅速に手配を進めます。冠婚葬祭にまつわる行動は、会社やビジネスパーソンとしての信頼に影響を与えることも。マナーに沿って迅速に手配を進めましょう。