CSR特集!日本でも広がる「企業の社会的責任」~サーブコープは乳がん早期発見啓蒙活動を支援
今年7月、コーヒーチェーン大手のスターバックスが、事業パートナーや顧客からの要請を受けて、プラスチック製の使い捨てストローを2020年までに全廃すると発表し、大きな話題となりました。
企業は、自社の利益だけを優先するのではなく、CSR活動(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)を通じて、環境問題や社会的課題に取り組むことが一層期待されています。
また、金融分野においても社会の持続可能性を考慮した製品やサービスに投資する、という世界規模の潮流が生まれています。今回は、さまざまな課題解決に向けて取り組みを行っている有名企業のCSR活動を特集。サーブコープの女性支援事業についてもご紹介します!
マクドナルド/病気と闘う子供と家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を支援
難病を抱えた子供は、日本に14万人以上いると言われています。家族は子供に最良の治療を受けさせるために、たとえ遠方の病院でも付き添いたいと思うもの。ですが、そんな家族の精神的・体力的、また経済的な負担は決して軽くありません。
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は「“Home-away-from-home” わが家のようにくつろげる第二の家」をコンセプトに、遠距離看病を強いられる家族のためにつくられた滞在施設です。施設はすべて高度小児医療を専門とする病院の近くに設置されており、家族とその子供が、自宅のようにゆっくりと過ごせるよう配慮されています。
施設内には、清潔なベッドルームはもちろん、自炊用のキッチンやリビング、プレイルーム、ランドリーなどが用意されていて、1日1000円で利用することができます。施設は公益財団法人によって運営されており、全国12カ所のハウスでは2000人以上のボランティアが日々活動し、家族を支えています。マクドナルドでは、店頭での募金活動やアプリ会員向けにハッピーセット募金つきクーポンを配信するなど、活発なチャリティ活動を展開しています。
<公式サイト>
https://www.dmhcj.or.jp
https://www.mcdonalds.co.jp/company/community/donald
ソフトバンクグループ/プロスポーツ選手のセカンドキャリアを支援
厳しいプロスポーツの世界で活躍してきた選手が、引退後のキャリア形成に行き詰まることは、スポーツ界において深刻な課題とされてきました。ソフトバンクグループは、そんな課題を解決するため、一般社団法人日本プロ野球選手会と一般社団法人日本バスケットボール選手会と連携して、現役選手の引退後を支援する専門の人材紹介サービス「イーキャリアNEXTFIELD(ネクストフィールド)」を展開しています。
このサービスは、引退した選手が気になる求人があれば、就職までキャリアコンサルタントのサポートを受けることができ、企業側も引退選手の職務経歴書を閲覧してスカウトできるというもの。2014年12月にサービスがスタートした時点では参画企業数は120社程度でしたが、2018年7月現在では1000社程度まで大きく伸びています。プロとして培ってきた高度な能力を企業のさまざまな仕事とマッチングできれば、選手個人のみならず、人材不足に悩む企業側にとっても大きな収穫になりそうです。
<公式サイト>
https://www.softbankhc.co.jp/business/employ/player
ダイドードリンコ/自販機に設置された「無料レンタル傘」
皆さんは、雨の日に外出先で、うっかり傘を置き忘れたことはありませんか? 警視庁の発表によれば、東京都内だけでも毎年30万本以上の「忘れもの傘」があるようです。大手飲料メーカーのダイドードリンコは、資源の有効活用や環境負荷の低減という観点から、そんな「忘れもの傘」を「レンタル傘」として再利用するというユニークな取り組みを行っています。
現在は全国16都道府県で500台程の自動販売機に設置され、ダイドーの自販機の横に取り付けられた「レンタル傘」は、誰でも、いつでも、無料で借りることが可能。返却期日は特に決められていないようですが、借りた人は、各々のタイミングで同じ場所に戻すことになっています。
この「レンタル傘」事業はダイドードリンコの「地域コミュニティ貢献積立金」を活用したもので、同じ積立金を使った「こども110番のくるまによる地域の見守り」や東日本大震災で被災した子どもたちへの支援も行われています。
<公式サイト>
https://www.dydo-ghd.co.jp/csr/society/activity/vending_machine.html#umbrella
サーブコープ/乳がん早期発見啓蒙活動を支援!
最後に、サーブコープのCSR活動をご紹介します。
がんの予防や治療、若年層患者や重篤・末期患者への支援を地域貢献の柱にしているサーブコープ。なかでも、乳がんに関する啓蒙や定期検診の促進を行うNPO法人「ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション」には、2011年より協賛企業として積極的に支援活動を続けています。
ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーションが「Tokyo Run for the Cure®/Walk for Life」などにパートナーとして参加し、支援しています。年末に開催されるTokyo Run for the Cure®/Walk for Life では、サーブコープのスタッフも5キロ~10キロにおよぶランニングやウォーキングに参加。ほかにも、サーブコープ社内で開催される「サマーファンクション」といったイベントで募金を集め、すべて「ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション」へ寄付しています。2017年は総額2,133,945円をRFTCに寄付しました。
また、サーブコープは女性の社会進出も応援しています。日本の女性管理職の割合は、帝国データバンクが2017年8月に発表したデータによると、平均6.9%という低い水準。そんな中、サーブコープは女性スタッフが活躍しやすい環境づくりを進め、国内の女性管理職の割合は80%以上という高水準を実現。有給消化率も高いのが特徴で、育児と両立している社員も多く、産休・育休後も安心して働ける環境を整備しています。
<公式サイト>
サーブコープ https://www.servcorp.co.jp/ja/about-us/community/
ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション https://rftcjapan.org
企業価値の向上につながるCSR
企業による独自のCSR活動をご紹介しました。どの企業も自社の強みを生かした活動で、社会に還元していることが分かります。
CSRは、企業が余力で行う「慈善活動」だと思われがちですが、決してそうとはいえません。例えば、CSR推進企業として有名なアウトドアメーカー・パタゴニアは、「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」という理念のもと、地球規模の環境問題に向き合うことを、会社の使命そのものと捉えています。
日本国内でも外食大手の「すかいらーくホールディングス」がオリンピックイヤーの2020年までに、全グループ店舗でプラスチック製ストローを順次廃止していくと2018年8月に発表。世界的な環境問題へコミットする姿勢を打ち出したことで、注目されています。企業の考え方やスタンスを社会貢献活動で示すことで、結果的に企業の信頼やブランディングにつながり、消費者の購買意欲につながると考えられます。