【例文付き】メール返信の必須マナー! 基本から注意点、定型文までわかりやすく解説
ビジネスメールのやり取りで、常にわかりやすいメールを素早く返信してくれる相手は信頼感があり好印象を持たれます。そんなビジネスパーソンを目指して、メールの返信をスマートに処理したいところですが、件名や言い回しなどのちょっとした部分に悩むことがあります。お詫びやお断りなどのネガティブな返信をする時は特に注意が必要です。
今回は「お礼」「クレーム対応」「お断り」「お悔やみ」など、シーン別の例文を紹介しながら、マナーに沿った返信メールの書き方について解説します。
【基本の4つのマナー】ビジネスメールの返信に役立つ
まず、ビジネスメール全般にあてはまる必須のマナーを理解しましょう。以下のようなポイントがあります。
①内容にかかわらず24時間以内に返信する
相手や内容にかかわらず、メールの返信は24時間以内に行います。24時間以内というのは、「遅くとも翌日までに返信」という意味です。
実際には、午前中に受信したメールは当日の夕方まで、午後に受信したメールは翌日午前中まで位を目安に、早めに返信しましょう。
「××の文書を送付します」のような具体的な返事を求めていないメールにも返信が必要です。お礼の言葉とともに受領したことを返信して、自分がいつ確認したかを相手に知らせましょう。
検討が必要ですぐに回答できない内容の場合は、「検討に2日ほどお時間ください」のように返信します。返信に対してさらに返信があった場合は、相手から新たな回答を求められていない場合は返信不要です。
②
「Re:件名」のタイトルを変更しない
メールに返信する時、タイトルは「Re:件名」のようになります。相手がわかりやすいよう、また、タイトルでフォルダ分けしていた場合もすぐに見つかるよう、このタイトルを変更せずに返信しましょう。
③
「Re:」が増えたら消す
返信のままやり取りが続くと、「Re:Re:Re:Re:件名」のように「Re:」が増えていきます。
この場合は「Re:件名」のように1つだけ残して削除します。
④
できるだけ営業時間内に返信する
できるだけ相手の営業時間内に返信しましょう。営業時間外に送信しなくてはならない場合は冒頭に「お休みのところ失礼します」などの一文を入れましょう。
【ケース別対処法】メールの返信は必要?不要?
返信が必要かどうか迷うこともありますが、そのような場合は以下のように対処しましょう。
「
Cc」で受け取ったメールは返信不要
自分が「Cc」で受信したメールには基本的に返信不要です。ただし、メンバー全員の日程調整など、自分も回答が必要な内容であれば、「全員に返信」で返信します。
「返信不要」と書かれている時
件名や文中に返信不要と記されている場合、返信してはいけないという意味ではなく、相手側の気遣いです。実際には内容と相手によって返信するかどうかを判断します。上司や取引先であれば一言返信するのがマナーです。
「自動返信」「売り込み」などのメール
自動返信のメール、取引のない企業からの売り込みメールなどについては返信不要です。イベント参加や資料請求の際に届く「参加御礼」「資料請求御礼」のメールにも、特に問い合わせたい事項などがなければ返信は不要です。
【例文付き】各種の返信メールの書き方
「お礼」「クレーム対応」「お断り」などのケース別に例文で返信メールの書き方を紹介します。以下の例文すべてに共通するポイントは、簡潔でわかりやすい文章にすることと、相手への敬意を表現する一言を入れることです。
お礼を伝える返信
重要な要件などを伝えるメールに対しては、内容を確認したらできるだけ早く返信しましょう。日程や場所などの項については、繰り返しになっても返信メールに記載すると丁寧で、ミスを防ぐためにも有効です。
件名:Re:××プロジェクト打合せ日程のお知らせ
本文:
△△△株式会社
◎◎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社×××の〇〇〇〇です。
××プロジェクト打合せの日程について承知いたしました。
〇月×日※時、貴社にお伺いいたします。
早々にご連絡いただき誠にありがとうございました。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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(署名)
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日程調整のための返信
日程調整のメールにはできるだけ早く、かつ正確に返信することが大切です。
件名:「Re: 第2回××プロジェクト打合せ日程調整の件」
本文:
△△△株式会社
◎◎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社×××の〇〇〇〇です。
次回第2回打合せの日程についてご連絡をいただき、ありがとうございます。
以下の時間帯で調整できれば幸いです。
候補1: △月〇日(月) 午前中
候補2: △月×日(火) 15:00~18:00
候補3: △月□日(水) 16:00~18:00
ご検討のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
—————-
(署名)
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なお、日程が合わない場合には、謝罪の気持ちを伝えた上で、別の候補日を提案する内容のメールを返信するのが良いでしょう。提示された日程が間近の場合はメールではなく、電話で直接連絡を取るという方法もあります。
お詫びの返信
クレームなどに対するお詫びの返信では表現に十分に配慮しましょう。通常より改まった言い回しにすること、丁寧にお詫びを述べること、今後の対処について明記することがポイントです。できるだけ早く返信することも重要です。相手から来たメールの件名を変えないことは同じですが、冒頭に「お詫び」の一言を入れる方法もあります。重大な事案の場合は、メールを返信すること併行して、電話をかけたり、直接謝罪のために訪問したりします。
件名:「お詫び Re:件名」
本文:
△△△株式会社
◎◎様
平素は格別のお引立てを賜り、厚く御礼を申し上げます。
株式会社×××の〇〇〇〇と申します。
お問い合わせの件は、弊社製品「××」の不具合でございます。今般は多大なご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ありません。
担当部署から本日中にご連絡の上、速やかに部品交換にお伺いいたします。なお、その他にもお困りのことや疑問点がございましたら本メールに返信でお知らせください。
今後については徹底した対策で再発防止に努めます。原因について調査結果と対応策がまとまり次第ご報告いたしますので、しばらくお時間を頂戴したく存じます。
メールでのご連絡となってしまい恐縮ではございますが、重ねて、このたびの不手際について深くお詫びを申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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(署名)
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提案をお断りする返信
提案内容についてお断りする場合も表現方法に気を使いますが、あいまいにせずはっきりと断ることも大事です。その上で、相手に失礼のない言い回しを工夫します。以下の文例では関係性を一定程度保ちたいという意思を示す結びの文を添えていますが、今後の可能性がない場合は簡単に「ご提案ありがとうございました」などの表現にします。
件名:「Re:××に関するご提案」
本文:
△△△株式会社
◎◎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社×××の〇〇〇〇です。
ご提案いただきました件、社内で検討した結果、今回は見送らせていただくこととなりました。ご期待に沿えず申し訳ありません。
ご提案のなかで多くの有益な情報をいただき、ありがとうございました。今後機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
貴社の一層のご発展を心よりお祈り申し上げます。
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(署名)
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訃報への返信
訃報を受け取った場合、できるだけ早く簡潔に返信します。通常より丁寧な表現で、「いつもお世話になっております。」などの挨拶文は使いません。なお、「ご冥福をお祈りします」は宗教によっては使用しないので、使わない方が無難です。
件名:「Re:【訃報】〇〇逝去のお知らせ」
本文:
△△△株式会社
◎◎様
このたびは〇〇様ご逝去の報に接し、誠に残念でなりません。
謹んでお悔やみ申し上げます。
本来であればお伺いしてお悔やみを申し上げたいところですが、略儀ながらメールにて失礼させていただきます。
心より哀悼の意を表します。
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(署名)
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退職の挨拶への返信
退職の挨拶への返信も、通常よりやや丁寧な表現にします。感謝の気持ちと今後の活躍を祈る一言を添えましょう。
件名:「Re:退職のお知らせ」
本文:
△△△株式会社
◎◎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社×××の〇〇〇〇です。
ご丁寧に退職のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
◎◎様には長きにわたり大変お世話になりました。
特に昨年の××プロジェクト推進にあたっては多くのご教示をいただいたこと、深く感謝いたしております。
新しい環境のもと、◎◎様のより一層のご活躍を心よりお祈りいたしております。
またご縁がありましたら、何卒よろしくお願い申し上げます。
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(署名)
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<あわせて読みたい>
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【役立つ】伝わりやすい返信メール作成のポイント
メールの返信ではわかりやすく、簡潔に作成することが大切です。
要件ごとに返信する
内容に複数の要件が含まれるメールに対する返信では、箇条書きにしてひとつひとつに回答する形で返信します。以下のような書き方がおすすめです。
お問い合わせいただきました以下3点について、回答します。
(1)日程の件
ご提案いただきました日程の中ですと、弊社は下記が都合
良いのですが、いかがでしょうか。
○月○日 ○時~
(2)参加者
弊社の参加者は下記、3名になります。
小林、佐藤、神田
(3)アジェンダ
下記が当日の議題になります。
・商品の仕入れ先について
・商品の価格について
・商品の販売方法について
以上、上記3点につきまして、ご確認のほどお願いいたします。
必要に応じて「>」で引用する
引用文は左に『>』を付記した形で表示されます。メールの返信では、相手が見返す必要がないよう、質問内容などを引用しましょう。相手のメールすべてを引用すると長くなるので、要点以外は削除して使用します。
次回打合せのアジェンダを作成いただき、ありがとうございます。
>アジェンダに追加する事項があれば追加しますのでお知らせください。
特にございません。この内容で進めてください。
それでは当日、よろしくお願いいたします。
【返信のコツ】仕事の効率アップに直結
失礼がないよう、そして誤字や表記ミスのないよう慎重にチェックしてメールに返信するためにかなりの時間がかかってしまい、本来の業務に専念できる時間が減ってしまうと悩んでいる人も少なくありません。
ビジネスメールの返信は、数をこなして慣れてくれば短時間で完了できるようになりますが、その他に以下のようなコツもあります。実践することでメール送信のタスクを効率化でき、仕事に余裕が生まれます。
①メールのフォルダ分け
メルマガや広告など、優先度の低いメールと自分の仕事に関するメールが並んだ受信トレイをすべてチェックしていたら非効率です。送信元やタイトルで分類できるメーラーの「フォルダ分け」機能を積極的に活用しましょう。
②テンプレートや定型文を作成しておく
よく使うメールの型をテンプレートとして、また、よく使う表現を定型文として登録しておくとメール作成の効率が上がります。ただし定型文だけのメールは自動返信メールのようになってしまいます。自分なりの言葉を追加して最後に整えることも忘れないようにしましょう。
③メールを読んだらその場で返信する
受信したメールを順番に読んでいき、読み終えたら最初に戻って返信メールを作成する人もいますが、この方法だとメールを2度読むことになるので非効率です。1通ずつメールを読んで、必要に応じて返信をしていくことで、トータルの作業時間を減らすことができます。
④返信に優先順位をつける
ビジネスメールの返信では、優先度が高くすぐに返信すべきメールと、優先度は中程度だが返信が必要なメールがあります。少し後で返信してもよいメールについては「要返信」などのフォルダを作成してそこに保存し、後で作業するという方法もあります。
⑤スマホではなくPCで作業する
スマートフォンやタブレットでもメールをチェックできるので、スキマ時間にスマートフォンからメールに返信することもあるでしょう。しかし、緊急の場合やPCを使用できない場合を除き、できるだけモバイル端末からの返信はせずに、PCでまとめて作業した方が効率的です。
⑥メールチェックの時間を固定する
一日のうちで「朝と夕方、各30分ずつ」というようにメールをチェックする時間を固定して、時間内に作業を終える習慣づけをしましょう。
ビジネスメールはマナーを守って返信しましょう
今回は、マナーに沿ったビジネスメール返信のポイントを、ケース別の例文とともに解説してきました。最後にもう一度整理すると、ビジネスメールの返信で特に大事なことは以下の3点です。
- 遅くとも24時間以内、できるだけスピーディーに返信する
- 大事な要件を正確に伝える
- マナーをふまえた表現で、相手への敬意が伝わるように書く
また、ビジネスメールの返信は、受信メールのフォルダ分けやメールチェックをする時間の固定により効率化できます。
ビジネスメール返信のマナーと基本の型をマスターして、手際よくメールを処理できるようになりましょう。同時に、相手への配慮をうまく伝えられるコミュニケーション力を高めていくことが大切です。
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