【起業家100人に聞いた】あなたは「接待費」肯定派?否定派?個人事業主の接待費の考え方とは
起業家は、自身の判断と決断において事業を推進していかなければなりません。会社勤務であれば、上司の判断を仰いだり、会社の規定に従えば簡単に処理できたりすることでも、起業家となれば——個人事業主であれ、企業経営者であれ——、自身で最終判断を下さなければなりません。
そこで気になることのひとつが、経費のかけ方や使い方ではないでしょうか。中でも、「接待交際費」は、どれくらいまで支出を認めていいものか悩ましいところです。他の起業家がどうしているか気になりますよね。
そこで、サーブコープが4月に実施した「起業家100人アンケート」から、「接待交際費」のリアルな状況を見ていきたいと思います。
個人事業主の1ヶ月の接待交際費はいくら?
接待交際費の1ヵ月の平均額を見てみると、「0円」という回答が約4割を占めました。全体の平均額は10,570円となりました。営業収入との比率を見た場合も、6%以内に収めている人が多いようです。
あなたは「接待費」肯定派?否定派?
初めに、起業家100人の「接待交際費についての考え方」について分析してみましょう。回答の内容から「積極的肯定派」「消極的肯定派」「必要ない派」「気にしない派」の4つに分類しましたのでそれぞれご紹介します。
積極的肯定派
「飲み会の話から仕事につながることはままある」(男性/50歳/映像制作)
「すぐに成果が出なくても気にしていない」(男性/52歳/卸売・小売)
「交流会で知り合った人とさらに深く知り合えるようになる」(男性/53歳/IT関連企業)
「新分野の開拓ができる」(男性/36歳/サービス業)
回答を見てみると、実は積極的肯定派の人たちでも、接待交際費を使うことが仕事につながったという人は、ごくわずかしかいませんでした。最も多かったのは、「どこで仕事につながるかは予想しにくい。できる限り自分を知ってもらうことが大切」(男性/45歳/建築・不動産業)や、「まずはビジネス抜きに、自身の人柄を知ってもらうための投資と考えている」(男性/38歳/仲介・代行業)といった考え方です。
つまり、仕事をもらうためというよりも、自分自身をわかってもらうため、人間関係を深めるための投資としての接待交際費であると考えているようです。業種別で見てみると、サービス業にやや多い傾向が見られました。
消極的肯定派
「あまり実を結ばないが支出している」(男性/59歳/建築・不動産)
「食事代程度の出費しかしておらず、仕事上の進展はない」(男性/64歳/医療・福祉・教育関連)
「顔つなぎ程度でしかない」(男性/53歳/IT関連)
「積極的に支出する方針はない」(男性/51歳/IT関連)
「消極的肯定派」の中にも温度差があり、「できれば使わずにゼロにしたいが、仕方ない」(男性/58歳/医療・福祉・教育関連業)といった〝やめたいのにやめられない〟超消極派から、「顧客へのお中元、お歳暮がメインで、必要経費のうち」(男性/54歳/医療・福祉・教育関連業)といった〝割り切り型〟消極派まで様々です。
その中で多く聞かれたのは、「ある程度は必要」「必要なものについては出す」といった意見でした。接待交際費に重要性をあまり感じていないため、積極的肯定派が「投資」と捉えるのとは好対照に、消極的肯定派はどうしても「経費」という認識が強いのでしょう。そのため、「経費だからできるだけ抑えたい」となり、「必要最小限に」「常識的な範囲で」などの使い方に落ち着いていくのだと考えられます。
必要ない派
「時間とお金のムダになる」(男性/45歳/卸売・小売)
「人脈を広げる必要がないので、まったく必要ない」(男性/50歳/事務請負)
「接待する業種ではない」(男性/45歳/卸売・小売)
業種的に接待交際費を必要としていない、会社が接待交際費を使う必要はないと考えているという声が聞かれました。
気にしていない派
「必要経費にできるから、特に気にしていない」(男性/38歳/IT関連)
「使っているが、あまり意識していない」(男性/58歳/IT関連)
ここまでの分析で見えてきたことは、「会社、事業主として、接待交際費の支出の必要性を認めていない人は、1割くらいの少数派」「しかし、接待交際費の支出が仕事に直接的につながると考えている人もごく少ない」と、いうことです。
そして、「接待交際費が仕事に結びつかない」ことを理解した上で、「投資」と捉えるか、「経費」と認識するかで、考え方が分かれるようです。
業態や収入によって、その支出の意味は大きく異なるとはいえ、個人事業主にとってのお金は企業マンよりも“血の一滴”であるという認識が強いもの。それ故に「できるならば接待交際費は抑えたい」というのが本音のようです。
【調査概要】
調査タイトル:お仕事に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2015年4月16日~4月22日
調査対象:全国の起業経験のある男女(Qzoo会員)100名