公式HP サーブコープブログ知識・ノウハウ主力の離脱はチャンス!? プロ野球FA事情から見る若手の飛躍とチームの底上げ効果

主力の離脱はチャンス!? プロ野球FA事情から見る若手の飛躍とチームの底上げ効果

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    突然ですが、問題です。

    1993年から日本のプロ野球にも導入されたFA(フリーエージェント)制度で、これまで最も多くの選手を獲得した球団はどこだと思いますか?

    正解は、読売ジャイアンツです。過去22年間に19人の選手を獲得しています。

    では、反対に、これまで最も多くの選手に移籍されてしまった球団は、どこだと思いますか?

    正解は、埼玉西武ライオンズで、13人の選手に去られています。

    FAというと移籍先の球団には注目が集まりますが、移籍元の球団についてはほとんど話題にのぼらないため、あまり知られていない事実かもしれません。

    今回は、この「FAで選手に移籍された球団」について考えてみようと思います。

     

    FAによる選手の流出=翌シーズンの成績ダウンとは限らない?

    FAで移籍する選手の多くは、中堅以上の主力選手で、選手が他球団に流出してしまうことは、大きな戦力ダウンになるはずです。ところが、過去のデータを見ると、「FAによる選手の流出=翌シーズンの成績ダウン」とは限らないことが分かります。

    例えば1994年は、ヤクルトスワローズ(当時)から広沢克己選手が、オリックスブルーウェーブ(当時)から山沖之彦選手が、FA移籍しています。しかし、1995年のシーズンは、ヤクルト、オリックスとも、リーグ優勝を果たしています。

    特に興味深いのが最も選手を流出させた西武ライオンズ(当時)で、清原和博選手(1996年)、松井稼頭央選手(2003年)、和田一浩選手(2007年)がFA移籍した翌年、リーグ優勝しています。

    他にも、2006年オフ、小笠原道大、岡島秀樹の両選手にFA移籍された北海道日本ハムファイターズが、2007年にリーグ優勝したケースもあります。

    FA制度が導入されて以降、昨年までの21シーズンでリーグ優勝したチームはのべ42チームになるわけですが、そのうち18チームが、前年のオフにFAで選手が流出していたのです。

     

    ■主力の流出=チームの活性化?

    では、FAによる選手流出が球団にどういった影響を与えたのか、いくつかの典型的なケースを見てみましょう。

    1993年オフ、中日ドラゴンズの落合博満選手は、FAで読売ジャイアンツに移籍しました。ドラゴンズは4番バッターを失うことになったわけですが、1993年に比べ1994年のチーム成績は上がっています。順位こそ2年とも2位でしたが、1993年は首位と7ゲーム差、1994年は首位と1ゲーム差でした。

    顕著なのは、チームの打撃成績です。チーム打率はわずかですが向上し、盗塁数は29から65に激増しています。さらに、落合選手が抜けたことで打撃陣が奮起したのか、1994年は、パウエル選手が首位打者、大豊泰昭選手が打点王・本塁打王に輝いています。

    清原選手が去った1997年の西武ライオンズは、チーム打率が.258(リーグ3位)から.281(リーグ1位)に、盗塁数が149から200になり、前年の3位から優勝へと躍進しました。

    こうしたケースは、いわゆる〝打つだけの人〟が移籍することでチームの体質を変えることができ、それがいい結果につながったと言えるでしょう。

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    また、主力選手が抜けたことで他の選手が奮起した、あるいは他の選手に出場機会がまわって、それが好結果につながるという例が、先に触れた1994年のドラゴンズ以外にも見受けられます。

    2012年にFA移籍した埼玉西武ライオンズの中島裕之選手の〝穴〟を埋めたのは、浅村栄斗選手で、2013年は打点王を獲得しています。同じく埼玉西武では2013年にエースの涌井秀章選手がFA移籍していますが、2014年、エースに〝昇格〟した岸孝之選手は勝率1位の初タイトルを手にしています。

     

    ■若手の成長と自覚を促す“経験の場”が生成される

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    FAによる選手の流出がよい結果につながった事例を見ていくと、意外にビジネスの世界との共通点があるような気がしてきます。つまり、組織の観点でみれば、現有戦力が欠けた時、それをただ穴埋めするのではなく組織全体の体質の見直しに繋げられるかどうかに、ポイントがありそうです。

    また、人材の育成という観点でみれば、出場機会を得る(与える)ことがいかに大切かということが言えると思います。例えば、経験を通してリーダーの資質を磨いていけるのは、1つのプロジェクトにつき1人しかいないわけです。あるいは、どんなに優れた能力を持っていようと、リーダーの役割が回ってこなければ、リーダーとしての力量があることをアピールできないわけです。

    有望な人材がいれば、経験の場を与えることが効果的な育成につながるということ。貴重な経験の機会があれば、それに積極的にチャレンジしていくこと。それが、成長の要点なのかもしれません。

     

    ※参照元:
    BASEBALL KING https://baseballking.jp/ns/14984
    日本野球機構オフィシャルサイト https://www.npb.or.jp/

     

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