関東をつなぐ新たなビジネス拠点、池袋に注目が集まる理由とは?
新宿、渋谷と並ぶ3大副都心のひとつ、池袋。最近、ビジネス拠点として、注目が集まっています。もともと池袋は、埼玉と東京をつなぐターミナル駅として発展してきました。2001年のJR湘南新宿ライン、2013年の東京メトロ副都心線と東急東横線との相互運転開始によって、神奈川からのアクセスも良くなり、さらなる発展が期待されています。そこで今回は、ビジネス拠点として池袋が注目される理由を探ってみました。
豊島区本庁舎が移転! 新たな街づくりが始まる
2015年5月に、豊島区本庁舎が東池袋1丁目から南池袋2丁目に移転し、東池袋にある造幣局東京支局がさいたま市へ移転することから、池袋エリア全体で新たな街づくり計画が始まっています。
本庁舎と豊島公会堂の跡地、「池袋西口地区まちづくり協議会まちづくり検討エリア」には、地上30階の高層ビルが建設されます。大規模オフィスが整備されるだけでなく、商業施設と新たな文化芸術を創り出す7つの劇場がつくられる予定があるそうです。
実は、池袋には芸術の町としての側面も
池袋にもともと高層ビルが少ないのは、池袋の古くからの歴史が関係しているかもしれません。この街には、劇場や大学などがあり、文化的な街として知られています。1930年代には、多くの画家や彫刻家、詩人が池袋駅西口から山手通りのあたりに次々と移り住んだと言われています。このエリアには、アトリエつきの借家が軒を連ね、フランスの芸術の町にたとえて「池袋モンパルナス」と呼ばれたのだとか。今でも西口駅前には、ガラスのオブジェのような「東京芸術劇場」があり、その名残を感じます。
副都心、池袋のビジネスエリア事情とは?
池袋と聞いてもビジネス街というイメージがない方も多いでしょう。ITベンチャーの聖地の渋谷、世界最大のターミナル駅がある新宿と比較すると派手さはないかもしれません。実際に、商業販売額、駅の乗降客数では新宿、オフィスの平均賃料、空室率、繁華街の歩行者通行量では渋谷がリードしています。しかし、池袋もJR、東武鉄道、西武鉄道、東京メトロの合計8路線が乗り入れるターミナル駅を擁し、西武百貨店、東武百貨店を中心に商業施設も充実しています。また最近では、女性向けのアニメや同人誌を扱う店舗が並ぶ「乙女ロード」が話題になったり、外国人観光客を集めるラーメン激戦区としても知られています。
オフィスエリアとしては、サンシャイン60などの高層ビルを除けば、中低層の商業施設が多いのが特徴です。オフィスビルは少なく、市況調査によると、池袋駅周辺のオフィスビルの空室率はビルの規模が大きくなればなるほど低くなる傾向があり、東京23区の2.8%を下回り、移転のニーズがあっても供給が追いつかない状況です。また、オフィス賃料水準も1坪当たり渋谷では2万5000円~3万5000円、西新宿では2万4000円~3万円と比べると、池袋駅周辺の大規模ビルでは1万6000円~2万2000円と安いことも魅力です(2016年6月、日経BP社「日経不動産マーケット情報」調査)。
池袋も新たなオフィスの選択肢の一つに
最近の市況を踏まえると、オフィスを探している方にオススメのエリアとして、これからの池袋は選択肢の一つとして考えておくべき場所になりそうです。
オフィスに限らず、オフィス関連施設(コワーキングスペースや貸会議室)も他の繁華街と比べ低料金に抑えられているため、コスト削減を考えている人には嬉しいエリアと言えますね。また、もともと芸術の街だった池袋。文化的な背景が豊かという点で、ビジネスに刺激を与えてくれるかもしれません。成長著しい池袋というエリアを、ぜひ視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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