電力自由化とは?メリット・デメリットから参入企業・契約まで調べてみた!
2016年は、日本の生活・文化における革新ともいえる、「電力自由化」がスタートします。電力が自由化すると、私たちの生活にはどうような影響があるのでしょうか?
今回は、電力自由化の特徴やメリット、新規参入する電力会社から契約方法をご紹介します。
■電力自由化までの道のり
電力自由化への段階的な改革が進んでいたところに、大規模な自然災害という出来事が起こり、人々がエネルギー問題に注目するようになった結果、一般家庭向けの電力自由化は実現しました。
2000年:高層ビルや工場などへの電力小売り自由化
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2004~2005年:スーパーや中小ビルなどへの電力小売り自由化
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2011年:東日本大震災発生。エネルギー問題に関心が高まる
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2015年12月時点:89社が電力小売事業者として登録
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2016年1月:事前予約開始!
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2016年4月1日:一般家庭向けの電力自由化がスタート
■電力自由化のメリット・デメリット
今までの電気事業者といえば、北海道から沖縄までの各地方に点在する10社しかありませんでした。それが電力の自由化に伴い、現在だと700以上の電力会社が新規参入するといわれています。競争が生まれるためサービスの質が改善されそうですが、簡単なメリット・デメリットとしていわれているのは次のような部分です。
【メリット】
・さまざまな企業が参入するため、電話料金など別種サービスとセットになったパッケージが生まれる
・料金、サービスが多様化され、使用用途に合ったサービスを選ぶことができる
・風力発電や太陽光発電など地球にやさしい電力が選べる
【デメリット】
・ノウハウの少ない企業の参入により電力供給が不安定になる可能性がある
・発電コストの低い天然ガスの使用が増え、原油価格が高騰する可能性がある。
予想されるデメリットもありますが、やはりサービスを選べるメリットは魅力的。電気通信会社の大手3キャリアをはじめ、以下のような企業の参入が決まっています。
・電気通信事業者(NTTグループ、ソフトバンクグループ、KDDIなど)
・ネットサービス運営会社(楽天グループなど)
・石油メーカー(JX日鉱日石エネルギー、東燃ゼネラル石油など)
・ハウスメーカー(ミサワホーム、大和ハウス工業グループなど)
・総合電機メーカー(パナソニック、シャープ、東芝など)
・一般ガス事業者(東京ガス、大阪ガスなど)
・総合商社(伊藤忠商事、丸紅、三井物産など)
そのほか、世界に誇る日本の自動車メーカー「トヨタ」だったり、話題の絶えない「ワタミ」なども参入を表明しています。
■新電力(会社)の特徴とメリット
前述した新規参入する会社の多くは、単体でサービスを行うのではなく、数社が共同出資して電力を供給します。さらに、そうしたコラボから生まれるメリットはたくさんあります。それでは、いくつかの事例を見てみましょう。
・ソフトバンク
(エネルギー | ソフトバンク/https://www.softbank.jp/energy/)
東京電力と提携するソフトバンクは、契約者に対して通信料のみならず、電力の割引を実施する予定とのこと。さらに、“スマートメーター”を活用した「高齢者の見守りサービス」も展開させるそうです。
・JX日鉱日石エネルギー
(ENEOSの家庭用電力小売事業について|ENEOSでんき|JX日鉱日石エネルギー/https://www.noe.jx-group.co.jp/denki/about/about.html)
KDDIと提携するJX日鉱日石エネルギーは、電気と通信のセット割引に加えて、自社が展開するガソリンスタンド「エネオス」での値引きも実施予定。
・NTTグループ
(株式会社エネット/https://www.ennet.co.jp/)
グループ内の主要8社の1つであるNTTファシリティーズは、東京ガスおよび大阪ガスと共同出資で設立した電力会社「エネット」を既に運営させています。エネットは、新電力の中でも40.5%の電力販売量を有することから、新規最王手との呼び声も。ガスとのセット割引は魅力的ですが、なんといってもトップシェアならではの安定性や低価格な電気代は気になるところです。
■切り替えや新規契約について
一般家庭向けの電力自由化は、2016年の4月からスタートします。その際、新しく契約をしたい電力会社とのやり取りは、電話やWEBを使ってできるそう。切り替えは、新規契約が済んだあと、その時点で契約している電力会社に廃止申込書を提出すれば、手続き完了です。
また、新規契約に伴い、スマートメーターの設置が必要になります。といっても、交換費用がかかったり、契約者が何かするということはありません。新しく契約した電力会社が無料で設置してくれます。ただし、設置の際には15分ほど停電することがあるそうです。
スマートメーターを設置することで、従来の分かりにくかった電気使用状況から、「見える電気使用状況」に変わります。例えば、それまでの電気使用量は月間の表記でしたが、スマートメーターなら30分ごとに電気使用量を計測してくれます。
そろそろ新電力となる各社も、具体的な料金プランを発表し始めています。現在の電気代と見比べながら、電力の“見える化”を検討してみてはいかがでしょう。経費削減といった視点だけでなく、新たな事業やサービスのきっかけが見えてくるかもしれませんね。
※参照
電力自由化の経緯(電気事業連合会)
https://www.fepc.or.jp/enterprise/jiyuuka/keii/
energy navi
https://energy-navi.com/