西新宿の歴史/ガラパゴス化していた西新宿に吹く新しい風とは
「西新宿」といえば、立ち並ぶビル、電話をしながら忙しく出歩く人々の姿。新宿の中でも「ビジネス街」というイメージが強いのではないでしょうか。1991年(平成3年)、東京都庁が完成し、都庁が西新宿に移転しました。「新宿副都心」という言葉ももう一般的です。しかし、そんな西新宿にさらに新しい風が吹こうとしています。一体どういった変化が起きているのでしょうか。
ビジネス先行で発展していった西新宿の歴史
新宿の発展の根本は、江戸時代。甲州街道の「宿場町」としての発展でした。それ以降は一般的な街のひとつでしたが、変化のきっかけが新宿駅の開業です。もちろん、最初から今のような莫大な利用者数があったわけではありません。明治時代に入り鉄道事業が進んだことで、新宿駅の重要度は上がっていきました。
また、新宿発展には、関東大震災による東京周辺の壊滅が影響しています。新宿周辺はもともと地盤が強いといわれている地域。震災の被害が少なかった上に、今後の地震の見込みを考えても発展性のある場所だと期待が高まりました。
一度に人口が集中したことによる混乱はあったものの、「新宿副都心計画」と呼ばれる淀橋浄水場跡地の再開発が実施され、西新宿には名立たるビルが立ち並ぶようになります。1963年の建築基準法改正も手伝い、空にも届くような夢のビルが人々の前に立てつづけに出現しました。東京都庁、住友ビル、三井ビル、新宿野村ビル、そして新宿センタービル。バブル後には新宿アイランドタワーが完成しました。
西新宿の「ガラパゴス化」とは
ビジネス街として発展を遂げた西新宿ですが、他の地域より一歩早く開発を進めた地域であるだけに、南新宿など他の後発地域が発展を見せ始めると、西新宿の古い建物の多さが目立ってきます。かつ、西新宿の中心は新宿駅から徒歩10分程度かかります。「動く通路」なども設置されていますが、やはり南新宿ビル街のアクセスのよさにはかないません。そういったこともあり、西新宿は悪い意味でのガラパゴス化(孤立化、他地域から切り離されての発展性)が顕著になってしまったのです。
西新宿のガラパゴス化からの脱却を進めるのが小田急電鉄
しかし、西新宿もガラパゴス化からの脱却を進めようとしています。小田急電鉄がメインデベロッパーとなり、再開発を進めようとしているのです。西新宿に拠点を持つ企業による「新宿副都心エリア環境改善委員会」の設置(2014年)や、既に竣工したものも多い古いビルのリニューアルもこういった流れからのものであり、多くの人々が期待を寄せています。なお、既に再開発されるビルには住居フロアや住居棟を持つ複合的なものもあり、「職住近接」が重要視されていることがわかります。「若返っていく街」、西新宿。新たなビジネスが入り込む余地も高まっていくでしょう。
新宿オークシティ拠点
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