社員のモチベーションが上がる「よいオフィス環境」の考え方
社員のやる気を引き出す要素として、改めて注目を集める「オフィス環境」。
かつて、オフィスは単なる仕事場で、デスクと椅子があるだけの無機質な空間や、書類と棚が連なった煩雑なオフィスが一般的な時代もありました。2000年台頃から、より良い仕事を生み出すために「オフィス環境」に注目する企業が増えました。多くの企業が、社員のモチベーションを向上させる環境をつくろうと、さまざまな取り組みを続けています。
今回は「よいオフィス環境」について考えていきましょう。
内装で社風を打ち出す
壁紙やパーティションなど、オフィスの内装から自社らしさ・社風をPRすると、社員のやる気を引き出す効果が期待できます。具体的には、オフィスの入口に自社のロゴを大きく掲示したり、自社のイメージカラーでオフィスの壁紙やパーティションなどを統一したりする、という方法がよく行われています。
自分の職場が人に自慢できる“かっこいいオフィス”になれば、既存社員にとってはやる気アップにつながります。また、新入社員など、これからオフィスに入ってくるであろう人にとっては“あこがれのオフィス”となり、会社のブランド価値を向上させることにもつながります。
自由に作業できるスペースを設ける
近年では社員に決まった席を設けず、フリーアドレス制を導入する企業が増えてきました。これは、あえて席を決めないことで、たまたま隣り合った社員同士に新しいコミュニケーションの機会が生まれることを期待しているのです。
普段あまり顔を合わせない社員同士が話すことで、新しい発見や気付きが生まれ、会社に新しい変化をもたらしてくれるかもしれません。同様に、ディスカッションスペースをいくつか設けるのもいいでしょう。会議室で行うような格式張った話し合いではなく、「ちょっと気になることがあるから、10分だけ話そう」といった、気軽なコミュニケーションが、円滑な人間関係を生み出すのです。
”たまり場”で人間関係を自然発生させる
ドリンクスペースや喫煙スペースなどが社員のたまり場になっているという企業は少なくないと思います。一見、多くの社員が一か所に滞留し、ときには無駄話をすることもあるこうした光景は、一見「よいオフィス環境」とは真逆の状態に見えます。しかし、実はこの“たまり場”は必ずしも悪いことばかりとは限りません。
先程紹介したように、普段顔を合わせない社員同士が顔を合わせる場は、新たなコミュニケーションが生まれる場でもあります。社員のたまり場になっている場所が、こうした“新たなコミュニケーションの場”の役割を兼ねていることもあるのです。もしそうであるなら、たまり場を解消せず、そのままにしておくことが「よいオフィス環境」をつくる上で有効な方法となるでしょう。
「よいオフィス環境」を作るために必要なのは、「社員のやる気を引き出す仕掛けを施すこと」、そして「コミュニケーションの場を設けること」です。すぐ始められる簡単な環境つくりから実践し、社員のモチベーションの向上を目指しましょう。