2016.03.30

人気ラーメン店に見る経営力！生き残る秘訣とは？

都内だけでも3,000軒以上はあるといわれているラーメン店ですが、そのうち4割以上が開業から1年以内で姿を消すそう。ただし、ほんの一握りではありますが、15年、20年と営業を続ける店舗も存在します。なぜこのような差がつくのでしょうか？実は人気店には、他店にはない工夫や着眼点などが存在しています。そこで今回は、人気店がどんなところに目をつけ、どのようなサービスをしているのかについて調査しました。

ここが他店とは違う！

まずは、人気店の着眼点と行われている工夫から見てみましょう。路上駐車対策から転じた駐車場の確保だったり、店側と客側の温度差を縮める工夫だったりと、人気店ならではの発想であることがわかります。

行列＆駐車場対策

1990年代から2000年代前半といえば、人気店＝車の渋滞が当然の時代でした。まだ道交法の改正前だったこともあり、今より路上駐車の規制も緩く、ラーメン店の前に車が列をなす光景は日常的だったのです。しかし道交法が改正されると路上駐車の取り締まりも厳しくなり、たくさんのラーメン店から客足が遠のくことに。そうしたなか、一部の人気店では『駐車場の確保』に注力したといわれ、結果的に売上が今でも安定しているとのことです。

人気店の宿命である行列は、うまく対処しないと売り上げの減少に直結することも。例えば、住宅街という立地では、1歩間違えれば致命傷につながります。実際のところ、行列が近隣からのクレーム対象になり移転したケースや、行列時の対応が悪いうえに入店後の提供時間も遅いため、閉店にいたったケースが存在するのです。逆に行列対策ができている店舗では、行列時のマナーを掲示したり、行列対応用のスタッフを配置したり、店内を総入れ替え制にして回転率を高めたりすることで、リスクヘッジに成功しているようです。

ニーズを理解し基本姿勢を大切にする！

ラーメン業界は常に流行が変化しています。「味」という絶対的な存在があってこその人気だとは思いますが、それだけで客のニーズを満たせるわけではありません。一方で味以外にも、おもてなしの思いが込められた挨拶や感謝の言葉を声に出して伝える姿は、客を魅了します。では、人気店における味以外のポイントを見てみましょう。

待たせないから行列が絶えない

ラーメン店に求められることといえば、味、価格、そして提供時間。いくら美味しくて安いラーメンでも、15分や20分も待たされるラーメンでは、レベルが高いとはいえません。人気店の場合、客側の求める「美味い・安い・早い」を熟知しており、またそれに対応できるノウハウもあります。例えば「ラーメンの提供は10分以内を徹底している」という店なら、誰がどんなときにつくっても10分でできるシステムや教育が整っているはずです。「あの店また並んでるけど、座ったらすぐ食べられるから」そんなイメージを客に与えることができれば、行列が常でも問題はないはずです。

常に感謝の気持ちを言葉で伝える

忙しい時間帯はラーメンづくりに没頭してしまい、客の存在を忘れがちになっている店もあることでしょう。ところが人気店ともなれば、いくら忙しくても目配り・気配りを欠かさないのがあたりまえ。快活な声で「いらっしゃいませ」と招かれ、席への誘導、提供時の一声などがあれば、食べ終えた器を自然とカウンター側に差し出して「ごちそうさまでした」と言いたくなりませんか？常に声が出ているところは、活気も違います。また、ラーメンを食べるというわずかな時間ながら、店側と客側の信頼関係も築くこととなり結果、好循環につながるといえます。

つながりを意識する！

最後は、商売人の心得である『三方良し』のなかの「世間良し」をあらわす協調性や、対応力。一流と呼ばれる人気店は、世間との付き合い方も一流です。

地域に密着し町づくりにも協力的

人気店の場合、地区や地域の祭りに対して協力的、商工会との連携、ご当地グルメイベントへの参加といった、地区から市町村単位、はたまた全国規模での催しとの関わりが多い傾向にあります。イベントに参加することで自社ブランドの宣伝になったり、商工会と連携することで「横のつながり」という地域の太いパイプもつくれたりします。