新卒や第二新卒も積極採用! サーブコープが考える新入社員教育のポイントや指導のコツとは?
受付や秘書といった多くの優秀なスタッフたちが、サーブコープの最高級のサービスを支えています。拡大を続けるサーブコープでは、通年でスタッフ採用を行っており、新卒や第二新卒も採用対象です。そのため、全国各地の拠点では、常に新人教育が行われています。優秀な人材を育てるサーブコープの新人教育ノウハウとは?
15年以上サーブコープに所属し、そのうち採用・トレーニングを6年担当している六本木華月マネージャーに、新人教育のポイントやコツ、NGな指導方法について聞きました。
新人教育のポイントは3つ!
六本木マネージャーによれば、新人教育でとくに大切なポイントは以下の3つ。
新人教育の3つのポイント
- 明確な研修プログラム
- 配属先での教育体制
- 明確なスキル要件・昇進基準
それぞれのポイントについて、六本木マネージャーに詳しく解説してもらいます。
【ポイント1】明確な研修プログラム
新人教育でのまず初めのステップは、「自社がどのような会社なのか」を理解してもらうこと。自社の成り立ちや文化、ビジネス内容や扱っている各種サービス、大切にしていることや決まりごとなどを理解し、共感してもらうことで、同僚やお客様とも早い段階で打ち解けられるからです。
たとえば、サーブコープでは新入社員に「インダクション」という全世界で共通のプログラムを履修してもらい、自社の理解を深めてもらいます。
「インダクション」とはどのようなプログラムですか?
サーブコープの新人研修は、新卒と中途で教育プログラムを分けません。年齢や経験、職種など関係なく、サーブコープに入社した全員が、「インダクション」と呼ばれる世界共通の基礎研修を履修します。
インダクションは、基本的に試用期間である3ヶ月の間に行います。ただし、新卒と中途が混在しているので、最長6ヶ月間まで受講可能で、本人のレベルに合わせて柔軟に対応しています。
具体的にはどのように学ぶのですか?
インダクションは日常業務にすぐに活かせるように、ワークブック形式のオンラインマニュアルになっており、配属されたフロア先の自席で受けることができます。内容は、会社の成り立ちや文化、ビジネス内容や扱っている各種サービス、大切にしていることや決まりごとなど、基礎知識が学べます。
該当ページを読むと、そのワークブックの問題が解けます。eラーニングも取り入れていて、文字だけではわかりにくいことはビデオで視覚的に理解してもらったり、ゲーム的な要素も用意しています。ローカライズはしていないため、すべて英語です。
サーブコープでは、社会人経験が少なかったり未経験の人材でも、本人にやる気があれば問題ないと考えています。入社後に履修してもらう研修はみんな同じなので、その人がどれだけのスピードで吸収していくかで昇進・昇給などは変わってきます。インダクションも、そういったサーブコープの企業文化にならい、自立心や高い意欲を持って自分のペースで進められるプログラムになっています。
【ポイント2】配属先での教育体制
新人教育で最も重要となるのが、配属先での教育体制。せっかく新人教育プログラムを受けて基本の考え方やマナーを理解しても、配属先の教育体制が整っていないために新人が育たない……とはよく耳にする課題です。
サーブコープでは、新人は配属先のマネージャーとロールプレイを行いながら実務を学んでいく体制を整えています。また、本人が自身の成長を振り返れるように、各拠点の新人が集まりロールプレイを行うこともあります。
各拠点での新人教育はどのように進みますか?
入社後は、配属拠点にて「実務を学ぶためのOJT」と「サーブコープを理解するためのインダクション」という2軸でトレーニングが始まります。実務学習と、考え方の学習を同時進行するので、新人からは「学んだことをすぐに現場で試せる」という声を聞きます。
新卒、中途で内容を変えることはありませんが、新卒の人には時間をかけます。サーブコープでは、秘書としてこうなってほしい、これができていてほしいというゴールを明確にしているので、そこに到達してもらうために新卒にはとくに時間をかけてトレーニングしています。中途で秘書経験がある人は当然スピードも速いですよね。オペレーションをしながら今日学んだことをすぐ活かせるので成長も早いです。これらは、サーブコープが40年間で作り上げてきた最強の研修プログラムだと思っています。
新人が行うロールプレイとは?
サーブコープでは、最初はビジネスマナー、たとえばお客様をお迎えしたり、お茶出しをしたりなどをロールプレイで練習を積み重ね、実践します。ロールプレイは日本語と英語の2パターンで行います。ここまでは自席と所属拠点内でやってもらうものです。
それ以外に6~8名で半日ずつ行うクラスルーム形式の日本独自のプログラムも用意しています。ここでは、ITトレーニングやロールプレイのテストをしたり、学んだ内容をディスカッションしたり、みんなで復習をします。
クラスルーム形式の新人教育とは?
インダクションの復習を半日で3回、ITトレーニングを半日で2回ほど行います。
クラスルーム形式は基本的に入社6ヶ月目ぐらいの方たちが受けるのですが、フォローアップとして2、3年目の社員も入ってもらいます。先輩にとっては改めて研修を受けるのは再確認や再発見につながりますし、新人にとっては自分たちに身近な存在で仕事もできる先輩を見ることが良い刺激になるからです。
クラスルーム形式は基本的に東京の拠点で行われるため、地方拠点の場合は、オンラインビデオ会議にて数名ずつで行います。
【ポイント3】明確なスキル要件・昇進基準
新人教育の効果を大きく左右するのが“本人のモチベーション”です。そして、モチベーションを向上するには「目標設定」が欠かせません。とくに、スキルアップや、昇進・昇給に関する目標設定が重要ですが、昇進や昇給のスキル要件が明確な会社は非常に少ないのが現状といえます。
サーブコープでは、本人のモチベーションを上げるためにスキル要件を明確に伝えています。また、キャリアアップやスキルアップに積極的に取り組んでもらうため、受付から秘書、秘書からマネージャーなど、本人が望む職種へのチャレンジを積極的に応援しています。
新人の昇進について教えてください。
サーブコープでは、基本的にはオフィスアシスタント、レセプショニスト(受付)、セクレタリー(秘書)と昇進していきます。新卒の場合は、オフィスアシスタントから始める人が大半ですが、レセプショニストからスタートする人もいます。新卒と言っても、それまでの経験、得意なこと、性格などそれぞれ全く違うので、スタートも一律というわけではありません。
というのも、サーブコープに入社する人は語学力が必須のため、海外留学経験がある人も多いのです。そうすると、留学先ごとに卒業月が違ったり、たとえばアメリカは大学卒業後に1年間働けるビザをもらえるので、職務経験がある人がいたりと、人材それぞれの経歴が本当に多種多様です。そのため、人材に合わせてスタート地点も変える必要があります。本人の経験や希望をもとに、配属先や職種を考えています。
昇進制度は?
レセプショニストは「コーポレート」と「シニア」、セクレタリーは「ジュニア」、「コーポレート」、「シニア」とそれぞれ階級が分かれています。採用の際は何ができるかによって、どのポジションにするのか考えますが、入社してからは本人のパフォーマンス、やる気、ポテンシャルで、昇進昇給を柔軟に考えています。
毎月、昇進や昇給することもありますか?
毎月というのは非常にまれなケースですが、どんどん上がっていく人はいます。逆に、10年以上レセプショニストの人もいます。それは、本人がレセプショニストとしてプロフェッショナルになることを希望しているためです。新人が入るとその人がトレーニングを行うなど、社内で地位を確立している事例もあります。
コーポレート、シニアと昇進する際の基準とは?
シニアセクレタリーやシニアレセプショニストになるための条件は、「個人の売り上げ」が大きな要素です。サーブコープのレンタルオフィスでは、オプションで秘書による業務サポートを利用できますが、それが個人の売り上げの評価に紐づきます。もうひとつ同等に大事なポイントが、クライアント、サーブコープ、自分という三者の価値を向上させているかどうか。
クライアントのサポートをきちんとできているかと、売り上げは密接な関係にあります。売り上げが上がっているということは、クライアント企業の価値を向上させていることに直結しています。あとは、自分のスキルも上げることで、サーブコープの価値も向上させていると言えます。また、後輩の指導ができるか、チームの中でリーダーとなり得ているか、模範的であるか、みんなからの尊敬を集めているかなど、なかなか数字には表しにくいところも重要な要素です。
秘書は自分から営業をすることもありますか?
シニアクラスを目指す場合は、売り上げを作れないと厳しいため、自分で積極的に営業する必要があるでしょう。とはいえ、シニアセクレタリーに昇進する人はすでに実力と人気が確立しているので、どんどん仕事の依頼をしていただけていると思います。
昇進昇給は、マネージャーの評価が大きい証でしょうか?
もちろんです。評価表があって、たとえば「時間が守れているか」など細かなところも含めて20ポイントぐらいをチェックしています。あとは、過去半年〜1年でどの程度売り上げを達成しているかなど、それぞれ売り上げに対してボーナスターゲットがあります。それを毎月達成できるようになると、昇格候補になっていきますね。さらに、未来への展望も大切で、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後にどういう目標を立てるかも見ています。
3、6、12ヶ月と細かく個人の目標を立てるのですね。
最初は慣れなくて難しいと思いますが、新卒の3ヶ月後の目標は、タイピングスピードを20から50に上げるといった、基本的な項目から始めます。「立てた目標を確実に達成できたかどうか」を評価基準にしています。
そのほかで、仕事を評価するポイントとは?
細かい点にきちんと注意を向けて仕事をしているか、という判断基準があります。つまり、仕事の完成度が高いかどうかということです。たとえば、書類ひとつにしても、サーブコープではフォントの大きさ、色といった「お客様に読みやすい資料の基準値」を設けています。そういったサーブコープの考える仕事の基準値が、確実に履行できている場合は、お客様に対する仕事のクオリティにも反映されていると考えます。
細かい点をおろそかにせずに丁寧な仕事ができている人は、ほかの仕事も丁寧にできるようになるので、仕事のクオリティがどんどん高くなります。大きなことではなく、細かい仕事をいかに丁寧に積み上げられるかが大切と考えます。
昇進は、階段のように、単純にステップアップする図式ではないのですね。
そうですね。サーブコープは職務経歴がない場合でも、ポテンシャル採用を積極的に行ってきました。少数精鋭、みんなで協力をして結果を出していくことで、いい会社にしていく。私たちはお客様のビジネスをサポートすることにコミットしているので、その中で自分の行きたい方向性やモチベーションが確立されていることが大切だと思います。そこは、本人とマネージャーが普段から話を密にしています。
新人教育でNGな指導とその理由は?
新人を育てたいという熱意が、相手にまっすぐ伝わるとは限らないもの。新人教育で気をつけたいのは、相手に合わせた適切な指導です。採用・トレーニングのプロだからこそわかる、最近の新人世代の傾向とやってはいけないNG指導を教えてもらいました。
最近の新人世代の傾向を教えてください。
仕事柄毎年たくさんの人に会いますが、最近の若い人はとても繊細です。“間違いを指摘されたときの対応”というものに慣れていないため、「パーソナルな注意をされた」と受け取る傾向があります。業務上の注意が何回か重なると、「先輩は私のことが好きじゃないみたい…」と考えてしまうのです。
あとは、表現の仕方や対応が、以前とは大きく変わってきていると感じます。たとえば、会社を休むときにLINEで連絡をしてしまったり。社会では、大切な要件はLINEでもメールでもなく、電話をするということを単に知らないのです。若い世代には電話という文化がなくなってきていることを感じます。
新人世代の良いところとは?
今の若い世代で素晴らしいなと思うのは、説明をするとすぐに理解できる頭の良さでしょうか。吸収したい、向上したいという意欲がすごく高いのです。だからこそ、新人が感情的に「苦手だ」「もうやりたくない」と考えないように、私たちトレーナー側、先輩たちが上手く対応することが課題ではないかなと思います。
新人の教育で気をつけていることは?
トレーナーとしてやるべきことは、到達してほしい場所を思い描けるぐらい明確に伝えるということと、彼らが今いる場所を明確に伝えてあげることです。その際、私個人の好き嫌いで話しているのではないと伝えることが重要です。客観的な事実として、「あなたはまだ学生レベルで敬語がきちんとできていないよね。到達してほしい場所は、<了解>ではなく、<さようでございますか>や<かしこまりました>と言えるところですよ」と明確に伝えています。
それはわかりやすいですね。
つまり、今のままの場所にいては、あなたの価値が上がらないということ理解してもらうのです。現在の場所から、どういう方法でさらに前に進むかというのが、トレーニングです。もちろん新人だけでなく、マネージャーでトレーナーという意識があまりない人にも、上司・トレーナーとして「部下への言い方をこうかえてみましょう」と伝えることも私の仕事です。
一般的に「新人はすぐに辞めてしまう」と言われます。サーブコープではどう考えますか?
新人が1年以上在職したから良いなど、短期的な結果に価値を置いていません。外資系企業は離職率が高いなどと言われますが、サーブコープは10年以上務める女性も多く活躍しています。
会社の文化に合わなければ、試用期間の3ヶ月以内に決断した方が本人のためにもいいのではないかと考えます。
新人に関係なく、全員が長く仕事を続けられるように、みんなで努力すべきだと考えています。だからこそ、頑張った人には給料を上げたり、昇格をしたり、17時半になったら退社してもらう文化を作ったり、長く続けられるサポートをこれからも徹底していかなければと考えます。
サーブコープは、会社としてどこに行きたいか、どういう会社でありたいかが明確です。また、その人にとってベストが何なのかをとても大切にしている文化があります。それぞれが考えて行動することが求められ、サポートし合うことが大切だとみんなが知っているのもあると思います。
新人、ベテランスタッフの実際の声を聞いてみよう!
10年以上務める人材も多い、サーブコープ。それぞれのスタッフは、新人期間を経て、どのように働いているでしょうか?普段の業務や自身のキャリアについて、スタッフ2名に話を聞きました。
入社2年目、Marin秘書(汐留芝離宮ビルディング拠点)
私はアメリカ・インディアナ州立ボールステート大学のテレコミュニケーションズ学部を卒業し、2016年10月にサーブコープに入社しました。大学時代のボランティア経験から、サーブコープが積極的にチャリティーイベントに参加している点、そして女性が活躍している企業という点に魅力を感じ入社しました。
入社してすぐに、ビジネスマナーの基本からITまで幅広いトレーニングを受けました。サーブコープでは初日から現場で実習ができるので、すぐに成長できる環境だと感じます。また、普段は汐留芝離宮ビルディング拠点にてマネージャーとチーム3名で勤務していますが、新人研修は他拠点と合同で行うため、他チームから学べることも多かったです。
今後のキャリアステップとしては、大学時代に映像制作を学んだこともあり、クリエイティブな仕事にも興味があります。そこで、バックオフィスでマーケティングの仕事にも携わっていけたらと思っています。
入社13年目、Yukoトレーニーマネージャー(恵比寿ガーデンプレイスタワー拠点)
アメリカ留学後、現地の国際空港で日系航空会社のグランドスタッフとして勤務しておりました。その後、サーブコープに転職。サーブコープに決めたのは、今まで培ってきたカスタマーサービススキルと英語力を活かせると思ったからです。また、未経験の職種でも徐々にステップアップできるため、実務経験の少なかった私にとって非常に心強い点でした。
入社時はレセプショニストとして採用され、ITトレーニングで基本的なITの知識を学びました。また、レセプショニストミーティングでは、都内全拠点のレセプショニストが集まり、レセプショニスト同士での意見交換や電話のマナー研修などを受けました。
配属拠点では、当時の拠点マネージャーが即戦力に欠けていた私を根気強く一から教育し、仕事の楽しさや厳しさを教えてくれました。「私が責任をとるから自由にやりなさい」という彼女の言葉は、13年経った今でも忘れられません。彼女のように部下のモチベーションを上げ、イキイキと仕事ができるようなフロアをつくり、牽引できるマネージャーに憧れます。
マネージャーになると、オーストラリア・シドニーにある本社でセールストレーニングを受けます。マネージャーとしてのスキルを磨くことはもちろんですが、世界中から集まるマネージャーたちと情報交換をしながら刺激し合える良い機会でした。新人教育だけではなく、ポジションに合った研修も充実しているのがサーブコープならではだと思います。
私の次の目標は、トレーニーマネージャーからマネージャーにキャリアアップすること。業界を熟知し、マネジメントやセールスをさらに勉強、経験し、「この人に聞けば何でも教えてくれる」と社内でも信頼され、お客様からも頼っていただけるような存在になれるよう、日々自分を磨き続けています。
まとめ
サーブコープでは、入社時の年齢、経験などにかかわらず、まずはサーブコープの全世界で共通の研修を実施します。この研修には、サーブコープが40年間の歴史で培ってきた人材育成のノウハウがすべて詰まっています。どの国に行っても同じサポート、同じ空間を提供できるのは、この研修があるからこそ。さらに、サーブコープジャパンでは、日本独自の研修を受けることで、スタッフはプロフェッショナルへと成長していきます。サーブコープでは、お客様のビジネス発展に貢献できる優秀な人材を育てるという明確な目標があるため、新人教育から力を入れて取り組んでいます。