リオ・オリンピック開催! スポーツからビジネスを考える
2016年8月5日に、リオデジャネイロで第31回オリンピック競技大会が開幕します。17日間にわたり、28競技306種目の熱い戦いが連日行われます。私たちはスポーツ観戦によって、正々堂々と戦う美学や、厳しい練習に耐え抜いて得る勝利とったさまざまな姿に感動を得ることができます。
スポーツで成功するためには、基礎技術習得から応用技術習得への過程で「心技体」を高いレベルでバランスをとることが大切だと言われています。実はこれは、ビジネスにも通じることなのです。
ビジネスの「心技体」は、仕事を成し遂げる気持ち(心)、実現させる遂行技術(技)、成功の環境を整える能力(体)。今回は、スポーツから学べる経営について考えていきましょう。
「スポーツ心理学」をビジネスに活かす!
最近では、スポーツの世界で培われた「スポーツ心理学」のメソッドをビジネスでも活かそうとする「応用スポーツ心理学」が発展しつつあります。つまり、昔のように、人一倍がむしゃらに働けば成果が出せる時代は終わったと言ってもいいでしょう。多くのスポーツ選手は、メンタルの重要性にいち早く気がつき、練習でスキルを磨くだけでなく、メンタルを高めるトレーニングも行っています。また、このトレーニングはスポーツ選手だけでなく、ビジネスパーソンにも応用できることがわかってきました。
スポーツドクターの辻秀一氏によると、第一の脳「外界の現実と向き合い、我々の行動を決める」認知脳と、第二の脳「自分の心をマネジメントして、心を鎮静化する」ライフスキル脳の双方が機能していることが大切だと言います。特にライフスキル脳による思考を「禅脳思考」と呼び、座禅に近い思考をしようと提唱しています。禅脳思考は、「ただ気づく」、「ただ考える」だけ。どちらも客観的に気づき、考えればいいだけです。
このフローを繰り返すことで、精神的ストレスを回避し、「自分の心の状態を自分で決める」ことができるようになります。
一流選手がやっていることをビジネスに活かす!
一流のスポーツ選手には、一流たる秘訣があります。彼らの戦略や気づき、新たな道の開拓方法は、一流の経営者に通ずるところが多くあると言います。そこで、一流選手、監督が特に意識している2つのことをご紹介します。
①使わない側を意識することが大切!
一流のサッカー選手は、ボールを蹴るときに、蹴らない方の足を大切にしていると言います。忘れがちではありますが、使わない側を意識できなければ、最高のパフォーマンスはできないということ。ビジネスにおいても、経営の改善を行う際に、コストカットばかり意識してしまっては、成長につながらないことも多くあります。取り組むべき経営課題の逆側を意識することが、より大きな成長につながるのです。
②うまい例え話ができるかが大切!
スポーツの名将と言われる人は、選手を指導するときにうまい例え話ができると言います。バレーボール全日本女子の監督は、選手たちに「ボールは爆弾だから、とにかく命がけでボールを拾うように」と教えたそうです。伝える言葉は、頭で考えなくても、感覚でスッと理解できることが大切です。経営者も部下やお客様に、自分の考えや商品、サービスを伝えることが第一。例え話を織り交ぜながら、スッと心に残る言葉を伝えられることが、会社の成長にもつながります。
ビジネスに、スポーツのメンタル技術を取り入れる!
ビジネスにも、常に新しい手法を取り入れることが成長への近道です。スポーツ選手を見る機会が増える今こそ、彼らを見習って、新しい方法を取り入れるチャンスかもしれません。昔ながらのビジネスパーソンは、根気、我慢、忍耐、努力を求めます。しかし、時代が変わったため、今までの時代のやり方だけでは大きな成果が出せないことは明白です。これからはスポーツ心理学をうまく取り入れ、メンタルと体のバランスを整えることで、100%スキルとチャンスを活かせるビジネスパーソン、経営者を目指しましょう。