【元起業家100人に聞きました!】気になる廃業後の人生……。元起業家の6割は再就職に満足!
2013年9月には安倍首相も「日本を米国のようにベンチャー精神あふれる「起業大国」にする」と宣言し、国家ぐるみで起業を後押ししています。とはいえ、日本における起業家数は横ばいもしくは減少傾向にあります。そこに見え隠れするのは、起業への不安、一歩を踏み出すきっかけ不足。また起業後の1〜3年の廃業率も依然高いのも現状です。
起業に関心を持っている人の中には、リスクヘッジとして起業後の再就職事情に関心がある人もいることでしょう。そこで今回は、元起業家で再就職経験がある22歳~69歳の男女100名に自身の再就職事情について聞きました。
再就職の結果に満足している人は約6割
転職が売り手市場の現在、元起業家たちが再就職にどのぐらい満足しているかを聞きました。再就職をした元起業家の62%は再就職結果に満足していますが、38%の人が不満と回答しており、不満を持つ人が少なくないこともわかります。
また、満足度の内訳をみると、「満足」は15%。再就職した人の20人に1人が悔いのない再就職ができていることがわかりました。
年収アップは簡単ではない。再就職後に年収が増えた人は約3割
再就職や再就職にあたり、まず気になるのは収入の変化でしょう。
再就職後の収入の増減傾向をみると、増えた人が30%、ほぼ変わらない人が26%、減った人が44%と、年収が減ってしまった人の方が多い結果でした。また、100万円以上減ったと答えた人が2割を超え、特に再就職後1年は、収入に対し支払う税金が増えるなど、なにかと我慢の年になったのではないでしょうか。
一方で、100万円以上増えた人は12%と、再就職者の10人に1人は、仕事の安定と大幅な収入アップに成功していることがわかりました。
再就職への満足や不満。どのような理由が?
再就職結果に満足できるかどうかは、収入の増減も大きく影響することでしょう。しかし、再就職に満足か不満か、その理由を詳しく聞いたところ、好きな仕事をしているか、給料面に納得しているか、職場環境がいいかといった回答が見られます。
■勤務時間が長い割に給与が安すぎる(48歳・男性)
■聞いていた話と異なりかなりワンマンだった(25歳・男性)
■職場環境が良くない(46歳・女性)
■契約社員なので安定しない(59歳・男性)
■早く生活を安定させる必要からあまり選ばなかった(67歳・男性)
起業家という立場から、再就職したものの、労働環境が改善されなかったという回答が多く見られます。一方、満足している理由には、仕事を続けられることへの喜びととれるような回答が印象的です。
■好きな仕事を続けられたこと(57歳・男性)
■定時退社ができ、毎月安定した給料がもらえる(35歳・女性)
■待遇もよくやりがいがある(54歳・男性)
■しがらみがなく心機一転できた(55歳・女性)
■やりがいがあった(57歳・男性)
毎年20〜30万人の起業家が誕生している現在の日本。起業が盛んになると、競争とイノベーションが促され、雇用創出や経済成長、地方再生を期待できます。世界を見ても、まさに社会を変えるイノベーションはベンチャーから創られます。
起業は大きなチャレンジです。起業したいと思っていながら、会社員として満足できない毎日を過ごすのであれば、模索してみるのも一つの手。起業後の再就職結果に60%以上の人が満足していることを考えれば、起業に迷っている方も、キャリアアップの一つの方法として、チャレンジしてみる要因になるのではないでしょうか。