ランニング初心者が挫折しないためのポイント3つ! プロが走り方をアドバイス
新型コロナウイルスの影響で外出する機会が減り、運動不足になっているという声がよく聞こえてきます。久しぶりに測ったら体重が増えていてビックリ…、階段を上がるだけで息が切れる…など運動不足に悩む人も少なくないのではないでしょうか。その改善策として、気軽に始められるランニングを取り入れるケースが多いようです。
しかし、いざランニングを始めても、継続できなければあまり意味がありません。では挫折せず続けるには、どういう点に注意すればいいのか。そのためのポイントを詳しくご紹介。しっかり続けて、健康的な毎日を過ごしましょう。また、走る際はマスクの着用は必要? など、ランニングと感染対策のポイントも解説しています。
初心者が挫折しないために大切な3つのポイント
① 無理のない距離とペースで走る
ランニングを始めるなら、最初から張り切りすぎないことが大切です。追い込んで走ると達成感があるかもしれませんが、すぐに疲れ果ててしまいます。特に走ることに慣れるまでは、無理のない距離やペースを設定することが大切。運動不足解消やダイエットなどが目的なら、辛いトレーニングは不要です。激しいメニューは「もっと速く走れるようになりたい」など競技思考が高まってからにしてください。
とはいえ、初心者といっても人それぞれ体力や走力は異なります。最適な距離というものはなく、基本的には「もう少し走れるかな?」という程度で気持ちよく終わることを優先に。ペースも軽く息があがる程度の速さで走ってみてください。そうすれば、翌日もまた走ろうという気持ちが湧きやすくなるはずです。
② 好きなコースを探しながら走る
せっかく走るなら、走っていると気持ちが上がる、あるいは走りたくなるようなコースを見つけましょう。例えば好きな景色を見られたり、自然に囲まれていたり。食事や温泉、買い物など、ゴール地点にご褒美を設定するコースを作るのもいいでしょう。
どこを走ろうか迷ったときはとりあえず走りに出ること。後は気分に任せて気になった横道を自由に入ってみてください。見知らぬ道を走るのは、それだけで冒険心をくすぐられるもの。その中で、意外な場所や景色など発見があるかもしれません。いつも車や自転車で通りすぎている場所を、あえてゆっくり走ってみるなんていうのもおすすめです。好きなコースを見つけるのも慌てなくて大丈夫。挫折しないためには真面目になりすぎず、気負わないことが大切です。
③ 薄いクッションのシューズがおすすめ
ランニングを始めるなら、走るのに適したシューズを用意しましょう。では、どんなシューズを選べばよいのか。これにはさまざまな見解がありますが、個人的には初心者こそ“クッションの薄い”シューズをおすすめします。その理由は、まず「強い足」を作るためです。
クッションの厚いシューズは着地衝撃を大きく緩和し、足に掛かる負担が軽減されます。ケガのリスクは低くなりますが、一方で足はその緩和された衝撃に耐えられるレベルまでしか強くなりません。そのため、距離やペースで負担をコントロールしつつ、クッションの薄いシューズである程度の衝撃に耐えられる筋力を養うことから始めるといいでしょう。結果的には、その方がケガなく走り続けられるようになるはずです。
なお、シューズ選びで重視したいのがフィット感。サイズが合わず、緩かったりきつかったりするシューズは避けましょう。足の痛みやケガにつながるほか、走りが非効率になってしまいます。必ず実際に履いてサイズ感を確かめ、さらに靴紐でシューズが動かないようフィットさせてください。
モチベーションを保つ工夫いろいろ
チームや仲間と一緒に走る
そのほかにも、ランニングを挫折せずに継続するための手段はさまざまです。例えば一人で走ると飽きてしまうなら、チームに入ったり家族と走ったりするなど仲間を作るのもおすすめです。
大会にエントリーする
また、目標を決めて周囲に公言し、“走らざるを得ない”状況というプレッシャーを自分に課すのも一つの方法です。例えば「いずれ大会にも出てみたい」と考えているなら、思い切って大会へエントリーしてみてください。目標を持って取り組んでいれば、きっと周りは応援してくれるはず。それが走るモチベーションにつながり、やがてランニングが習慣化していくはずです。
ワクワクする未来をイメージする
また、目標として走れるようになった未来の自分をイメージするのもいいですね。ダイエットに成功してカッコよくなった自分や、走力が上がって颯爽と駆け抜ける自分など。走ることや継続することを目的にすると、走ることが義務のようになって苦しくなってしまいます。その先にあるワクワクする未来に目標を置くようにしてください。
ケガには注意しましょう
また、せっかくランニングを始めても、ケガが原因でやめてしまう人は少なくありません。そのため、まずはケガをしない走り方の基本は押さえておきましょう。専門の本を読んだりトレーナーに教わったり、最近はオンラインレッスンを受けることも可能。とにかく「走らなきゃ」という焦りは禁物です。まずは長く走れるコツを自分なりに手に入れることから始めてみてください。
マスクの着用は必要? ランニングとコロナ対策
コロナの収束がまだ見えないなか、マスク着用やソーシャルディスタンス、あるいは咳エチケットなど、新しい生活様式が定着しつつあります。こうした対応について、ランニング時にどうすべきか悩まれる方がいるかもしれませんが、結論から言えば、「こうすれば絶対安心」と断言できることはありません。しかし周囲への配慮や感染予防、あるいは自身の健康という観点を踏まえると、以下のような対応が望ましいのではないでしょうか。
マスクはいる? いらない?
マスクを着用すると呼吸が制限されます。その状態で走れば、十分な酸素が取り込めずに疲れやすくなったり、心拍数が上がって苦しくなったりします。暑い時期であれば、熱中症のリスクも高めかねません。そのため、走っている最中は基本的にマスクを着けない方が好ましいです。
そもそも、飛沫の届く範囲に誰もいなければ、マスクを着ける必要はないとも言われています。とはいえ、人の多い場所では周囲の目も気になりますし、自身が感染者なら移してしまう可能性もあります。そのため、例えばポケットにマスクを入れておき、どうしても人の多い場所を走らなければならないときだけ着用する。そして苦しくならないようにペースを落とす、といった対応が望ましいのではないでしょうか。
ソーシャルディスタンスはどうする?
それ以上に重要なことは、他者と一定の距離を保つソーシャルディスタンス。感染予防の点から有効な手段の一つと言われています。ランニング時においても意識し、できるだけ人の少ない場所を走るようにするといいでしょう。誰かとすれ違ったり横を通ったりする際には、できるだけ端に寄り、相手との距離を保つようにしてください。
走った後の感染対策は?
走り終えたら人や物にできるだけ触れず、すぐにお風呂やシャワーで身体を洗うことをおすすめ。無意識に触れた場所からウイルスが付着したり、誰かとすれ違った際に飛沫を浴びたりしている可能性もあります。全身を洗ってしまえば、身体をキレイにしつつ感染予防が行えて一石二鳥でしょう。
また、激しい運動後は一時的に免疫力が下がるので、感染症が流行している間は注意が必要です。軽めのランニングなら問題ありませんが、息があがるほど追い込んだ場合には、できるだけ外に出かけず、落ち着くまでゆっくり休むようにしてください。また、疲労を残さないためには栄養補給も大切。そうすればランニングを続けることで、ウイルス等に抵抗するための免疫力アップの効果も期待できます。
まとめ
挫折することなくランニングを続けるには、何より「楽しむこと」が大切です。無理せず、好きなコースを選んで走りましょう。なお、ケガで走れなくならないよう、走り方を学んだり自分に合ったシューズを選んだりすることも重要です。たまに一緒に走れる仲間がいると、いい刺激になってランニングを継続しやすくなります。適切な感染対策を行いながら、運動不足に陥らないよう取り組んでください。
文・三河賢文(みかわまさふみ)
“走る”フリーライター、WILD MOVE主宰/ランニングコーチ、ナレッジ・リンクス(株)代表。学生時代は陸上競技部に所属し、ブランクを経て2011年よりマラソンおよびトライアスロン競技を開始。100kmを超えるウルトラマラソンまで、数多くの大会を走破。主にスポーツ分野専門のライターとして、取材しながら全国各地を走り回っている。千葉県内の中学校で陸上競技指導に取り組むほか、自身でもランニングクラブを運営。プライベートでは4児の父親。https://www.run-writer.com