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経営者目線から考える「たばこ増税」。各企業のたばこに対する対応とは?

日本企業の中には勤務中の喫煙を禁止したり「禁煙手当」を出したりなど、喫煙・禁煙に対する対応も多く見られるようになりました。さらに、2018年度税制改正大綱では「たばこ増税」が決定。勤務時間内の喫煙はアリかナシかなど、経営者としてもたばこについて考えるきっかけとなりそうです。今回は各企業がとっている、たばこに対する対応を紹介します。

2018年度税制改正大綱で「たばこ増税」が決定

具体的には、2018年10月を目途に1本当たり1円、たばこ税の引き上が行われます。JTの代表銘柄メビウスは1箱500円になると予定されています。その後も2021年10月までには計3円の増税が予定されているため、たばこの増税はとどまらないでしょう。

さらに、今までたばこに対する代替案として提示されていた加熱式たばこの税も、2018年10月までに段階的に値上げしていく方針です。こういった決定が積み重なることで日本全体の禁煙・減煙ムードが加速しそうです。

日本企業の「たばこ」に対する考え方

日本企業の中には、禁煙を推奨している企業も少なくありません。

ユニ・チャーム株式会社では、社員の健康保持・増進活動の一環として就業時間内の禁煙を宣言。2014年4月1日から全社員を対象に禁煙を義務化しました。公私の充実に健康は欠かせないという意識のもと、役員や執行役員を対象にスタート。のちに管理職以上を対象にするなど、反応を見ながら拡大しました。

さらに、大手光学機器メーカーの株式会社リコーでも社内および就業時間内の禁煙を徹底しています。会社の敷地内はもちろん外出先、移動中、出張先でも全面禁煙に。リコーグループに所属する全社員および契約社員やパートタイマーも対象です。

全面禁煙化の目的は「健康障害の防止」と「健康増進」であると発表しています。 勤務時間中の喫煙を禁止すると、喫煙者自身の喫煙頻度を下げることができます。あわせて非喫煙者も受動喫煙も防ぐことができるため、社員全体の健康を守ることにつながります。

禁煙者、非喫煙者に対し「手当」を用意する企業も

全面的な禁止ではなく、禁煙者や非喫煙者に対し「特別手当」を出すことで対応している会社もあります。

例えばクラウド労務管理サービスの開発、運営をしている株式会社SmartHRでは、「たばこ吸わない手当」を導入しています。たばこ吸わない手当とは、非喫煙期間が 180 日を超えているメンバーに支給される手当。この制度を導入してから喫煙者7人中4人が禁煙を始め、うち3人が180日以上の禁煙に成功していると発表しています。

非喫煙期間の申請は自己申告というのも、社員との信頼を築くのに一役かっていると言えるのではないでしょうか。

また、ダスキンなどの加盟店業務を請け負っている株式会社武蔵野では、2000年から禁煙手当を導入。課長職以上は年間20万円、一般社員には10万円が支給されます。課長候補以上は禁煙が義務化、宣言後に喫煙が発覚すると手当の3倍の罰金が発生などの規則がありますが、会社全体の禁煙化は進んでいるとのことです。

会社全体で社員の禁煙をサポートするのも福利厚生のひとつと言えるでしょう。

禁煙か喫煙か、経営者として見直すきっかけに

日本のたばこ税は、世界基準で見るとそこまで高額というわけではありません。2016年に最も売れた銘柄を国際比較すると、経済協力開発機構加盟国で最も安い金額です。

しかしながら、会社が導入する手当などのサポートは、禁煙するいい機会になります。また、禁煙者だけが休憩をとっているという不平等感も生まれません。社内の雰囲気をより良くするのに有効な方法と言えます。先を見据えて新しい制度を導入していくのも、企業全体として良い方向にシフトするきっかけになるのではないでしょうか。

 

 

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