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バーチャルオフィスを利用する個人事業主・法人の納税地はどこになる?

納税地起業する時には「個人事業の開業・廃業等届出書」または「法人設立届出書」の届け出が必要ですが、「納税地」の記載について「バーチャルオフィス」を事業の住所地として使用する場合はどうすればよいかお困りではありませんか? バーチャルオフィスを納税地として届け出ることが可能なのか、その際の記載方法や注意点をわかりやすく説明します。

バーチャルオフィスの住所は納税地にできる

コワーキングスペース

バーチャルオフィスは、実際の物理的なオフィススペースではなく、ビジネスを行う上で必要な住所や電話番号などを貸してくれるサービスです。起業の際に「納税地」にバーチャルオフィスの住所を登録することは可能です。

業種によっては、納税地となる住所に実務スペースの実態があることが事業所の要件になっていることがありますが、その要件がない業種については、納税地について法律上の規定はありません。

しかし、法人と個人事業主、それぞれバーチャルオフィスの住所を納税地として登記する場合、注意すべきポイントがあります。

以下では、個人事業主の場合、法人の場合に分けてバーチャルオフィスを納税地として届出をする際の記載方法とポイントを解説します。

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個人事業主の開業届での納税地の記載方法

個人事業主が開業を届け出るために必要な提出書類である「個人事業の開業・廃業等届出書」の最も上部にある欄が「納税地」の記入場所です。

バーチャルオフィスの所在地を納税地として申告する場合は、この欄の「事業所等」に印をつけ、あらかじめ納税地として登録する許可を得たバーチャルオフィスの住所および連絡先電話番号を記載します。

バーチャルオフィスの所在地を納税地として申告した場合、自分の住所地はその下の欄の「上記以外の住所地・事業所等」欄に自宅住所を記載します。

作成した書類は納税地を管轄する税務署に開業1ヶ月以内に提出します。また、国税電子申告・納税システム「e-Tax」上でのオンライン提出も可能です。

【個人事業主向け】バーチャルオフィスを納税地にする際のポイント

資料作成

バーチャルオフィスの所在地を納税地として申告することに法律的な問題はなく、手続き上で可能であることを紹介しました。

バーチャルオフィスを納税地として届け出る際に知っておきたいポイントについて解説します。

納税地の記入欄には3種類の選択肢がある

上記で紹介したとおり「個人事業の開業・廃業等届出書」には

住所地
居所地
事業所等

の3つの選択肢があり(該当するものを選択してください)と表記されています。

個人事業主で国内に住民票があり、生活の拠点が実際にある場合、特に指定したい場所がなければ基本的に納税地は住所地です。個人事業主で居所地・事業所等が納税地となるのは、例えば海外に住所地があるケース、実際に業務を行う事業所があるケースなどが想定されています。

スムーズに手続きを進めたい方は、開業届を提出する予定の税務署もしくは税理士に相談し、事前に確認することをおすすめします。

なお、開業時に提出した納税地を変更したい場合、確定申告の際に異動後の納税地を記載することで変更します。確定申告書類の受け取りなど、年度の途中で申告したい場合は異動後の所轄税務署長宛に「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を提出することも可能です。

所得税参考:国税庁「タックスアンサー №6617 納税地」「タックスアンサー №2029 確定申告書の提出先(納税地)」

「上記以外の住所地・事業所等」の欄に住所地を入れる

個人事業主が事業所得に関連して支払う税金は所得税・消費税・個人事業税・個人住民税の最大4種類です。納税地を住所地として指定した場合、個人住民税に関しては住所地に納めることになります。個人住民税にはいわゆる「均等割」と呼ばれる、一定の所得がある場合一律に負担する税があります。この均等割は住民に対してだけでなく、事業所・事務所も対象となります。均等割を負担する市区町村が増える可能性があることに留意してください。

法人設立届出書での納税地の記載方法

所得税

法人が開業を届け出るために必要な提出書類である「法人設立届出書」の右側上部にある「納税地」欄が記入場所です。「本店又は主たる事務所の所在地」と「納税地」が同一の場合、同一の住所を記載します。

作成した書類は納税地を管轄する税務署に設立2ヶ月以内に提出します。

【法人向け】バーチャルオフィスを納税地にする際のポイント

会議室次に、株式会社をはじめとする法人を設立する際、バーチャルオフィスを納税地とする際のポイントについて解説します。

「本店または主たる事務所の所在地」が納税地になる

法人税法では「本店の所在地もしくは主たる事務所の所在地」が納税地と規定されています。

基本的には「納税地」欄の上部にある「本店又は主たる事務所の所在地」と「納税地」は同じ住所を記載します。この「本店又は主たる事務所の所在地」にバーチャルオフィスを登録することは可能です。(ただし、一部事務所実態に法律上の規定のある業種は除く)

一般的にはその法人の統括的な役割は本店に置くことが多いため、本店が納税地と法人税法で規定されていますが、代表者の自宅や別の事業所など本店以外の場所を中心に実務を行っている場合、本店と納税地を別にして登記することも可能です。「実務の中心的な場所」に納税地を設定するのが基本的な考え方です。

また、法人にも本店・支店ごとに会社の資本金や従業員数に応じて税額が決定する法人住民税があります。ただし、バーチャルオフィスの場合、本店があくまでも登記上のみの扱いで実務がない場合、事業所とみなされる条件には該当せず、税務上「事業所」とみなされる可能性は低いでしょう。ですが、バーチャルオフィスの契約内容等によって管轄税務署の判断が異なる場合があるため事前に税務署へ確認するのが安心です。

なお、バーチャルオフィス事業者によっては、本店登記の住所地としての利用を許可しないケース、本店登記には別途料金が発生するケースもあります。バーチャルオフィスでの本店登記・納税地の指定を検討する場合、あらかじめ登記の可否や本店登記がサービスに含まれているかを確認してから契約を進めましょう。

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本店・納税地を異動する場合は異動届出書を提出する

事業の拡大や社員数の増加などで本店を異動する場合、また納税地として届け出ていた実務の拠点を異動する場合は「異動届出書」での届出が必要です。

異動後できるだけ早く、e-Taxソフトで届出書を作成・提出するか、届出書を書面で作成し、異動前の納税地の所轄税務署長宛に提出しましょう。

なお、住所地を納税地とする個人事業主の住居の引っ越しに伴って納税地が代わる場合は、その年度の確定申告書に変更後の納税地を記載するだけで納税地が変更されます。

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まとめ

個人事業主でも法人でも、バーチャルオフィスの住所地を納税地として届け出ることは可能です。ただし、納税地は基本的に「事業の実態があること」が求められます。事業内容によっては、納税地として申告予定の税務署にあらかじめ問い合わせを行うことが望ましいでしょう。

また、バーチャルオフィスでの法人登記・開業支援経験が豊富なバーチャルオフィス事業者に実例を踏まえたアドバイスを受けることもおすすめです。

税の申告という事業活動に必要不可欠な業務をスムーズに進めるために、正しい知識で納税地を選びましょう。

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    監修:安達莉々
    中野セントラル司法書士事務所の代表司法書士。司法書士として、2014年から多くの起業家をサポートしてきました。特に20~30代の起業家、個人事業主、および外国人の起業家のクライアントが多く、その夢の第一歩をサポートするのが強みです。税理士や行政書士とも緊密に連携し、総合的なアドバイスを提供しております。

     

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